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ヒトツメリッパー殺人事件6 ページ6
目を覚ますと白い天井、白い壁。ゆっくり起き上がれば白いシーツがかけられた白いベッドの上。
色彩に乏しい部屋の中、窓に映った自分の鶯色の瞳だけがやけに明瞭な色に見えた。
今は何時だろう、と思ってぐるりと部屋を見回すと、唐突にドアがぴしゃーんと開いた。ここは病院だろうから、あまり大きな音を立てるのは好ましくないと思うのだけれど。
入ってきた人物を見て納得する。涙目の春子さんと不安げな幸葵くんだ。普段冷静沈着なこの二人がこうも感情を露にしているのは珍しいな、と呑気に考えていると、二人がずいずい僕の方に寄ってきた。
それから、僕の目を見つめ、春子さんが感極まったように僕に抱きつく。
「ちょ、年頃の女の子なんだから、無闇に抱きつかな」
「相楽、心配したんだからな!」
涙の滲む声で台詞を遮られ、春子さんを剥がし損なって、困ったように視線を泳がせて幸葵くんを見上げると、彼は極めて簡潔に現状を説明してくれた。
「相楽……二日も眠っていたんですよ」
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作者名:瑠色 | 作成日時:2018年9月19日 23時