91．身を潜める。 ページ42
.
その時、ふいに玄関のドアがガチャリと音を立てて。
それと一緒に、ビニールの摩擦音が耳に届いて、和也が帰ってきたことを知る。
.
翔「……帰ってきた？」
「…………。」
物音一つしない部屋で喋っていたからか、割と大きいその音は電話越しに櫻井さんにも届いたらしい。
櫻井さんの問いに答えず、和也が私のいる寝室の前を通過するのを、ドア越しに固唾を飲んで見守る。
.
やがて、リビングのドアが閉まる音を聞いて、やっと安堵のため息をついた。
翔『帰ってきた？』
「はい。」
不思議、何も疚しいことなんてないのに。
ただの同居人に、こうも身を潜める理由なんてないのに。
翔『どうした？』
「なんか、浮気みたいですね。
なんにも悪くないのに。」
翔『しちゃう？浮気。』
「寝ても覚めても生真面目万歳どこいったんですか。」
翔『すっかり忘れとったわ。』
ははは、と櫻井さんは明確な発音で笑った。
あどけない顔してるのに、笑い声は意外と老けてるって若い女の子の社員が囁いていたのを思い出す。
.
櫻井さんがモテるってことも、思い出す。
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1677人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆり(プロフ) - ん〜(。>д<)もどかしいですね。和也〜って感じです( ´△｀)櫻井さんの優しさ断れないですよね〜( ；∀；) (2016年11月1日 18時) (
レス) id: aebdb910e0 (このIDを非表示/違反報告)
ちくしょー青春。(プロフ) - まっきぃさん» ご愛読ありがとうございます！(^^)/ 本当に嬉しいコメントです……。泣 こんな人と一緒に暮らせたら、我が人生悔いなしですよね……羨ましい……。(・・) (2016年11月1日 17時) (レス) id: 663bcc0a0c (このIDを非表示/違反報告)
ちくしょー青春。(プロフ) - ようちんさん» コメントありがとうございます！(^^)/ そう言って頂けると俄然やる気湧きます……！泣 二宮さんは本当につくづく罪な男ですね……。////（笑） (2016年11月1日 17時) (レス) id: 663bcc0a0c (このIDを非表示/違反報告)
ちくしょー青春。(プロフ) - ゆりさん» コメントありがとうございます！(^^)/ 手放すのが惜しい２人ですね……。私なら二人とも食ってしまいそうです。ふふ。/// (2016年11月1日 17時) (レス) id: 663bcc0a0c (このIDを非表示/違反報告)
ちくしょー青春。(プロフ) - しろさん» 大変じれったい展開ですね、すみません………。でもそろそろ二宮さんの本心が露になる予感……次の更新に期待してください（笑） (2016年11月1日 17時) (レス) id: 663bcc0a0c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちくしょー青春。
| 作成日時：2016年8月13日 12時
