人それぞれ【d!】 (ページ4)

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おかえりなさい！【sha】ページ4

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かちゃり。

｢ゆり〜っ！｣

玄関の扉を開いた瞬間、廊下の奥から飛んできて私に抱きついた大きな物体。

『ちょっと、先に言うことあるでしょ？』

｢んぬぅ･･･おかえり｣

『んふふ、ただいま、シャオちゃん』

玄関先で私に抱きついて甘えるように首元に顔を埋めた彼は、私の最愛の人。
いつもよりすこし長いおかえりタイムを満喫して、『シャオちゃん、寒いから中入ろ？』と言えば何故かちょっと不満げな顔で頷いた。

『シャオちゃん？なんでちょっと不機嫌なの？』

｢なんででしょうね？｣

『え〜、教えてくれないの？』

｢ゆりこそ、俺に言わなあかんことあるんとちゃいますか〜？｣

頬を膨らませて私にもったいぶる彼が言うには、私が何か言わなきゃいけないらしい。
なにかしたっけなあ、とうんうん頭をひねらせていると痺れを切らしたのか、もう！と言ってからシャオちゃんが言葉を紡いだ。

｢朝、起きたら誰もおらへんかってん。何で起こしてくれんかったの？！ゆりにいってらっしゃいって言ってちゅーしたかったのに！！｣

『はえ？』

おっと、思わずあほな声が出てしまった。
えまってシャオちゃん可愛過ぎない大丈夫ですかこれ？
まって成人男性が言うセリフとちゃうやん･･･かわい･･･。
私が頭の中で悶えている間も、シャオちゃんはきゃんきゃん何か言っている。

｢朝起きて誰もおらんかった時の俺の気持ちわかる？！最愛の彼女さんに置いてかれて、冷たい朝ごはんと昼ごはん食ってたんやで･･･？俺、すっごい寂しかってん･･･｣

『だってシャオちゃん気持ちよさそうに寝てたから･･･』

｢俺にとって睡眠とゆりどっちが大事か分かるか？｣

『睡眠･･･？』

｢あほか！ゆりに決まっとうやん！なんでこんなに愛してるのに伝わらへんの･･･？｣

一応建前で睡眠と答えたらなんかまじで落ち込んでしまった。
大丈夫だよシャオちゃんの愛伝わってるよ！！！

『ごめんねシャオちゃん･･･。今度から朝も起こすし寂しい思いさせないから許してくれる？』

｢ほんまに･･･？じゃあ俺が今日ゆりのことずっとぎゅーっとしてても邪魔とか言わん？｣

『言わない言わない。好きなだけぎゅーってして』

｢んふふ、じゃあ許すぅ｣

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