人それぞれ【d!】 (ページ15)

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後輩と先輩と体育祭と【shp】ページ15

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「･･････分かりましたよ、あんたそういう人ですもんね」

口元を緩くあげたしょっぴくんを眺めて感慨に浸る。嬉しいなあ、初めてあった時は愛想笑いをたまに貰う程度だったのに。気難しい猫を手懐けた気分だ。

「そのかわり、昼ごはん俺と一緒に食べましょ」

笑みを深めて交換条件を出してくるしょっぴくん。正直しょっぴくんに利益が出るとは思えないが「わかった」と返すと嬉しそうにしていたので何かしらあるのだろう。

「あ、あと。それと･･････」

ふと思いついたように顔を上げたしょっぴくん。何やら言いずらそうにもごもごしてる。なんだ、先輩になんでも言ってみなさい。

「･･････ハイタッチ、しましょ」
「え？」

間抜けな声が口をついてでた。なんで、と聞く暇も無くしょっぴくんに言われるがままに両手を上げてハイタッチをする。ぺちん、と鳴った軽い音が非常階段だとよく響く。訳が分からなくて目の前のしょっぴくんをじいっと見つめてみる。

「あ〜･･････。先輩、リレー終わった後佐藤さんとハイタッチしてたでしょ」

佐藤さん？佐藤といえば、クラスリレーで私にバトンを渡した男子だ。終わったあとにやったな〜！って両手を上げて寄ってきたから軽くハイタッチを交わした覚えはある。捻挫の痛みでそれどころじゃなかったので、記憶は些か曖昧だが。それより、佐藤とハイタッチしたこととしょっぴくんとなんの関係があるって言うんだ？疑問符を頭の上にぴゅんぴゅんとばしていると、耐えかねた顔でしょっぴくんが叫んだ。

「だからッ！･･････羨ましかったんですよ、なんか文句ありますか･･････！」

しょっぴくんの頬が少し朱に染っている。
･･････ええ〜、なんだ可愛いなこいつ。

「とりあえずしょっぴくんが私大好きってことは分かったよ」
「･･････」
「いだ！！！なにすんのさ！！！」

不服そうな顔をしたしょっぴくんに腫れた足首をちょい、と押された。私の足元に蹲って人差し指でつつく様はやっぱりどこか猫っぽい。
そんなしょっぴくんを眺めていたが、階段の外から私を呼ぶ友達の声が聞こえた。

「･･････先輩、行きますよ」

しょっぴくんが差し出した手を掴み、ゆっくりと立ち上がる。もうすこしかわいい猫ちゃんと遊んでいたかったが仕方ない。

しょっぴくんが離さなかったので手は繋いだままで。二人で一緒にうんざりするほど真っ青な空の元へ踏み出した。

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