人それぞれ【d!】 (ページ13)

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それ、何回目？【sha】ページ13

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シャオちゃんと喧嘩した。まあくだらない理由だけど、私は本当に腹が立ってるから今のところシャオちゃんとは口を聞きたくない。同棲してる家の中には主にシャオちゃんが出してる気まずい空気が流れてるけど、気にしない。シャオちゃんが謝っても三日くらい経つまでは絶対許さない。ソファに座り無表情でスマホをいじってる私をシャオちゃんがちらちら見てるけど一切目なんて向けてやらない。しばらくして、いつの間にかシャオちゃんが私の目の前に座り込んでいた。

「なあ、ゆり、こっち向いて」

シャオちゃんのあまりにも切なげな声音に思わず目を向けそうになったが、必死で耐える。

「なあ、ゆり、ほんまに、頼むから俺の事見て」

弱々しく私の右手を両手できゅっと握り込むシャオちゃん。そのまま潤んだ瞳を上目遣いでこちらに向けてくる。･･････大丈夫、まだ耐えられる。シャオちゃんには屈しない･･････。

「なあ、ゆりほんまごめん。俺が悪かったから、きらわないで･･････。俺、おれ、ゆりのこと愛してるのに･･････」

愛してる。･･････シャオちゃんはいつもそうだ。私と喧嘩した時、潤んだ瞳でこっちを見て、心底つらそうに私に愛してるって言ってくる。そう言えば許されるって思ってるのだろうか。

「･･････ほんっとに腹立つ！」

シャオちゃんが愛してるって言えば言うほど腹が立つ。

「ごめんゆり、ほんとに、おれがわるかったから」
「違うよ、シャオちゃん」

不意をつかれたようにぱっと顔を上げたシャオちゃん。今にも零れそうになっている涙を拭ってあげて、にっこり笑って、教えてあげる。

「シャオちゃんに腹が立ってるんじゃないの。･･････シャオちゃんに愛してるって言われるところっと許しちゃう自分に腹が立ってるの！」
「･･････ゆりすき！」
「うぐっ、！」

ぱあっと顔を輝かせて思い切り飛びついてくるシャオちゃん。こいつは･･････。

「ゆりほんますき。せやからおれのこと見捨てんといてな･･････」
「分かったってば」

あ〜あ、次は何分喧嘩したままでいれるのかなぁ。

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