人それぞれ【d!】 (ページ1)

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翡翠の瞳【zm】ページ1

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同僚から話を振られた。

「ねえ、知ってる？暗殺部隊の隊長。いっつもフード被ってるし前髪も長いから、目元が全く見えないんだって。暗殺相手には、三日月形に浮かぶ口元だけがはっきり見えて･･･仕事柄も相まって『嗤う死神』って呼ばれてるらしいよ！」

「なんですかその厨二くさい二つ名は。･･･ていうか、暗殺部隊の隊長ってゾムさんのことですよね？あの〜･･･、とても綺麗な翡翠色の瞳の方」

「え？！ゆりあんた見たことあんの？！？！なんで？？」

「ええっと･･･。確か、前に戦闘訓練をぼーっと見てた時に強風が吹いて、偶然」

「へえ、そうなんだ！･･･でも、翡翠色って緑ってことでしょ？この国ではあんまり良しとしてないよね。だから隠してるのかなあ」

「そうですねえ･･･。」

「なによ、その歯切れの悪い言い方」

「いや･･･。あの時の光景を思い出していたんです。あの時、風が吹いた時。強い太陽に照らされてきらきら輝いてたんです、まるで宝石みたいに。本当に綺麗だなあって思って。この国では良しとされていなくても、個人的に好きですね」

「あんた相変わらず綺麗なものは好きなのね」

「人間誰しもそうでしょう？」

廊下の突き当たりの目的地に到着すると同時に話は終わった。
この会話を誰かが聞いていたなんて夢にも思っていなかった。

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