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編んだ髪を緩い歩と共に規則正しく動かしている。
横を、小動物の様について歩くのはフローラだ。
「飛行機の安全保障が付いたと、整備の方から連絡がありました。最近訓練にも参加されて居ませんし、如何でしょう？」
「訓練か、……良いね」
Aはフローラの遠回しの提案に、上向きの反応を示す。
フローラは「では、手配しておきますね」と手帳に書き込む。
先の事の為に破損していた飛行機はもう既に直っていたが、完全に安全保障が付くまでは乗れなかった。
抑も飛行機に乗る機会自体最近は訓練位のものだから、Aも頷いたという一因はある。
「今日から、隣国からの来客があると言う事です。外交長官の他、第二皇子がいらしているそうで」
「嗚呼、らしいね」
フローラの手帳を繰りながら言う様を横目に見守りながら、Aは頷いた。手元に視線を落して居る為に、段々とフローラの足元は覚束無くなっている。
「その事なんですけど、空軍の視察がしたい、と言うご要望が」
「へェ、空軍の？」
Aは興味深そうに、やや片眉を上げた。
「はい。何でも、第二皇子たっての御希望なのだとか」
「しかも皇子のご要望？ 増々珍しい」
フローラの続けた言葉に、Aは少し目を瞬かせた。
Aの愕きは尤もな事である。
抑も王族が、軍と云う物に興味を示すと言う処が珍しい。然も、『空軍』と場所を限っていると言う処も。
抑も空軍の視察の要望があったという話自体、Aは耳にしていない。
大概のこういった仕事の話＿＿特に最高幹部の間で行われた話は、八割はフローラの耳を通ってAに伝えられる。単純に連絡がフローラの方がしやすいと言う処に理由はある。
「一応機密事項と言う側面も無い訳では無いので、実際お答えするかどうかは解らないと言う事ですけど、……」
「嗚呼、まあそうだろうね」
Aは、話を聞いて其処までは予測済みだったのだろう、大した反応も無く行儀良く頷いた。
先に述べた様に、王族が軍に興味を持つと言う処はそもそも珍しい事例だ。
となると、皇子ではなく周りが「皇子が希望されている」と言う口実の下で軍の視察をしたいのではないか、と考えるのが無難である。
そうでなくとも、軍の機密の漏洩は、万が一にも怪しい事ではあるが、可能性を零だと言い切る事はできない。
軍事国家として名を馳せるこの国としては、其処等の『事』の管理は、厳密に行うと言うのが当然の了解であった。
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遥彼方 - 。負け犬団長さん» コメント有難うございます！その辺りは本当に書いていて楽しかったので、そう言って頂けて感涙です。是非ゆっくりと楽しんでらして下さい〜 (2020年3月2日 1時) (
レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
。負け犬団長(プロフ) - 主ちゃんの怒ったシーンの描写が普段穏やかな主ちゃんとのギャップ？で読んでいてとでもドキドキしました！それと主ちゃんの怒りがひと段落したところでの主ちゃんの空への思いが文章からあふれていてとてもきれいです！ (2020年3月1日 22時) (レス) id: 10fa209271 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 瑠奈さん» コメント有難うございます！前作では大変お世話になりました。勿体無い程のご評価に舞い踊る程の喜びを感じております。此方こそ有難うございます！先は長いですが、楽しんで頂ければ幸いです。 (2019年12月7日 16時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - 蒼から来ました〜前作も感動し、今作の面白さ、読みやすさに感激している今日この頃です。ありがとうございます (2019年12月7日 14時) (レス) id: 8b40ad9508 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 桜舞姫・蝶月姫さん» 有難うございます！続編移行に注力します……少し（？）お待ちくださいませ……！ (2019年12月7日 1時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥彼方 | 作成日時：2019年11月13日 0時
