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らっきーせぶん
※『イーグル』：イーグルクラフト。イメージは鳥とバイクを足した感じ。『ホークザイル』参照
＊＊
「まあ、取り敢えず、乗って？」
Aは『イーグル』の座席に横座りに腰かけて、そうしてから座席に跨って、自らの後ろの座席をぽんぽん、と叩く。
ひとらんらんはその促しに、少し躊躇したが、自分から頼んだことでもあるのだから、と言うのもあったし、何よりそう言う事で少なからず楽しみにしているため、Aがそうした様に、跨る。
「軍帽、そういや置いて来たの？」
今気づいた様なAは、エンジンをかけながら言う。
「嗚呼、うん。万一落したら厭だから」
「嗚呼、被ってたら多分、普通に落とすと思う」
ひとらんらんの答えに、さらりとそんな事を言った。ひとらんらんの選択は正解だったらしい。
「流石に君が落ちたら扶けられない気がするな、……確り掴まっててね？ それと落ちないように気を付けて」
「嗚呼、うん。……」
やや言葉の感触に違和感を覚えつつも、ひとらんらんは頷く。
そして、乗る時よりもずっと恐る恐る、Aの腰に腕を回した。
馬駆けの時も思ったが、随分と女めいた、細い腰をしている。と、ひとらんらんは思った。
ひとらんらんであれば片腕で収めて支えられる程で、力を入れれば折れそうでさえある。
「落ちる奴とかいるの？」
「結構いるよ、初めて乗った奴なら、軍人でも制御できなくて落っことされる奴とかいる。此奴は飼い主を選ぶから」
そっと手を伸ばして、鳥の頭をAは撫でた。やや鳥は、気持ちよさげに眼を細める。
「まあ、初めは折り合い悪くたって付き合ってくし、そうじゃないとやってらんないけどね」
Aはそうフォローを入れつつ、ぐっとハンドルを握り、手を緩め、もう一度握り直す。
落ちる最たる例のフローラの事をAが言わなかったのは、フローラ自体が余り笑い事にして言わないだけで、少しは気にして居る事を、Aは知って居るからである。
笑い話として本人が出来る以上、話のネタ程度に弄る事こそあるが、態々他人に、当人が気にして居ると解った記憶を話すような趣味は、Aにはない。
「Aもそうだったの？」
何の気なしにひとらんらんが尋ねると、「あー、如何だろう」と、Aは記憶を掘り返す様に首を傾げる。
「昔は、……憶えてる限りじゃ、落ちたって云うか、落されてた」
「は？」ひとらんらんはその妙な言い回しに耳を疑った。
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遥彼方 - 。負け犬団長さん» コメント有難うございます！その辺りは本当に書いていて楽しかったので、そう言って頂けて感涙です。是非ゆっくりと楽しんでらして下さい〜 (2020年3月2日 1時) (
レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
。負け犬団長(プロフ) - 主ちゃんの怒ったシーンの描写が普段穏やかな主ちゃんとのギャップ？で読んでいてとでもドキドキしました！それと主ちゃんの怒りがひと段落したところでの主ちゃんの空への思いが文章からあふれていてとてもきれいです！ (2020年3月1日 22時) (レス) id: 10fa209271 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 瑠奈さん» コメント有難うございます！前作では大変お世話になりました。勿体無い程のご評価に舞い踊る程の喜びを感じております。此方こそ有難うございます！先は長いですが、楽しんで頂ければ幸いです。 (2019年12月7日 16時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - 蒼から来ました〜前作も感動し、今作の面白さ、読みやすさに感激している今日この頃です。ありがとうございます (2019年12月7日 14時) (レス) id: 8b40ad9508 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 桜舞姫・蝶月姫さん» 有難うございます！続編移行に注力します……少し（？）お待ちくださいませ……！ (2019年12月7日 1時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥彼方 | 作成日時：2019年11月13日 0時
