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二週間の後。
空は春の中に澄み渡っている。
「何も請暇の時言われなかったの？」
「それ、Aも同じだろ」
ひとらんらんが心底不思議そうなAに、呆れ返ったように言った。「別に何も。割と基本、休日返上だったから、時間給自体は簡単に取れる」
「其処まで一緒なんだ」
ひとらんらんの答えに、Aはにこりと笑った。
時間給を取る時に、軍事演習を隔てたとは言えど二週間おきに、時間給と言え請暇すると言う事、又用向きが同じの為、二週間前と同じ様にAと全く同様に時間給を取ると言う事に、ひとらんらんが、
(不自然に思われたりする？)
と、内心少々悩んだことは、Aは当然知る由のない事である。
別に疚しい事と言うのではないのだろうが、甚だ変な誤解を受けるのも拙いし、抑も腹を括って黙秘を決めたひとらんらんと、それの保持の張本人たるAの間の重要な秘密に、ひょんなことから嗅ぎつけられてしまっては元も子もない。
が、Aの方は、少しの事でも気にかかってしまうひとらんらんに比べ、そう言った事に殆ど無関心な程に堂々として、自分の行動を開けっ広げにしている。それがわざとなのか本当なのか解らぬ程その態度はいつも通りで、違和感がない。
秘密の扱い方を相手の判断に全て委ねたAらしいと言えばそうなのだろうが、この場合は一応名目としてA自身の秘密なのである。
少しは気を配らないのだろうか、とひとらんらんは思うが、そんな不毛な事を言う気も起きないので、黙っている。
そんな事をつい口について、訊いてしまったら。
「こういう風だから」とぶっ飛んだ回答が返って来るか、「一応気はつけてる」と返って来るのか、ひとらんらんには想像もつかなかった。
流石に「考えてなかった」何て事は無いだろうが、答えの想像つかないまま質問しては、何を聴いても驚き厭きれてしまいそうだ。と、ひとらんらんは思う。
が、
之はれっきとした、Aの秘密だ。と言う事は、Aの気にする処が、多少なりともあって決して可笑しくない。
だと言うのに、何故か周り＿＿この場合はひとらんらん＿＿の方が気を揉んでいる。
＊＊
唐突に気になったんですけど、前作(青)から来たぜ！ って方、どれ位いらっしゃるんでしょ？
「わしせやで」って方、宜しければお教え下され……
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遥彼方 - 。負け犬団長さん» コメント有難うございます！その辺りは本当に書いていて楽しかったので、そう言って頂けて感涙です。是非ゆっくりと楽しんでらして下さい〜 (2020年3月2日 1時) (
レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
。負け犬団長(プロフ) - 主ちゃんの怒ったシーンの描写が普段穏やかな主ちゃんとのギャップ？で読んでいてとでもドキドキしました！それと主ちゃんの怒りがひと段落したところでの主ちゃんの空への思いが文章からあふれていてとてもきれいです！ (2020年3月1日 22時) (レス) id: 10fa209271 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 瑠奈さん» コメント有難うございます！前作では大変お世話になりました。勿体無い程のご評価に舞い踊る程の喜びを感じております。此方こそ有難うございます！先は長いですが、楽しんで頂ければ幸いです。 (2019年12月7日 16時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - 蒼から来ました〜前作も感動し、今作の面白さ、読みやすさに感激している今日この頃です。ありがとうございます (2019年12月7日 14時) (レス) id: 8b40ad9508 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 桜舞姫・蝶月姫さん» 有難うございます！続編移行に注力します……少し（？）お待ちくださいませ……！ (2019年12月7日 1時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥彼方 | 作成日時：2019年11月13日 0時
