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地を這うような声で、刺すように睨み付ける。
「随分な御身分じゃあないか。その便利な神経系は実に羨ましいね」
押し殺した中の感情が、爆発となって噴き出すその前、不発弾のような緊張感が、Aの眼の辺りの筋肉を強張らせていた。
.
＿＿事を、やや遡る。
「之、何の騒ぎ？」と、『イーグル』の格納を済まして飛行機の格納庫に入って来たAに、慌てて、焦りざまのフローラは切羽詰まった様な、泣きだす寸前の様な顔をした。
一体何だ、とAは訝しげに眉を顰め、話を聞くのは諦め、先ずは現状を見る事にしたAは、格納庫の奥に足を進めた。
＿＿其処に拡がって居た光景は、正に『惨状』であった。
彼方此方にある戦闘の跡。至る処を執拗な程に破壊されており、修復は困難で時間がかかるだろう事は、素人目にも見て取れる。
其処に格納されていた飛行機もその被害に直撃しており、片翼の折れたりしたものもある。
絶句したAは、その場に呆然と立ち尽くした。そうするより他になかった。
呆然自失のAは、辛うじて、「之、如何言う事？」と、誰にともなく呟く。
「……ッ、シャオさんと、シッマさんが、……」
Aは、フローラの口から告げられた名前に「は？」と、増々眉を怪訝そうに顰める。
「何で、彼奴ら此処に？ 如何考えたって、……」
こんな所に用は無い筈じゃないのか？
そう言おうとしたAの唇は止まり、何かに気付いた様なAは、やや目を見開いたまま静止した。
何かを、注視している。
「ッ御免なさいっ、Aさん！！ 私、私、……ッ」
がばっ、とフローラは勢い良く頭を下げる。その言葉の端は着地点を見失い、空を彷徨った。
それで、Aは一切を了承した。
整備やら何やらで飛行機の格納庫内に居たフローラを探して、恐らくその二人は此処に辿り着いた。
そして、その場でいつものように、何かの拍子で戦闘を始めたのだろう。
然もそれが＿＿激昂して居たというよりは白熱したのだろう、相当苛烈な物であったらしい。戦闘の跡からは、銃火器の使用があったのだろう事も解る。
問題は、場所だ。
其処には幹部二人の、然も相当激烈な戦闘を止められるような人間は存在しない。その結果が、現在の格納庫の惨状らしかった。
「……別に、君は悪くないからね」
頭を下げた儘のフローラの頭を、ぞッと色を喪った声でそう言って、Aは撫でた。
ぱっと踵を返し、ある場所へ歩き出す。
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遥彼方 - 。負け犬団長さん» コメント有難うございます！その辺りは本当に書いていて楽しかったので、そう言って頂けて感涙です。是非ゆっくりと楽しんでらして下さい〜 (2020年3月2日 1時) (
レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
。負け犬団長(プロフ) - 主ちゃんの怒ったシーンの描写が普段穏やかな主ちゃんとのギャップ？で読んでいてとでもドキドキしました！それと主ちゃんの怒りがひと段落したところでの主ちゃんの空への思いが文章からあふれていてとてもきれいです！ (2020年3月1日 22時) (レス) id: 10fa209271 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 瑠奈さん» コメント有難うございます！前作では大変お世話になりました。勿体無い程のご評価に舞い踊る程の喜びを感じております。此方こそ有難うございます！先は長いですが、楽しんで頂ければ幸いです。 (2019年12月7日 16時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - 蒼から来ました〜前作も感動し、今作の面白さ、読みやすさに感激している今日この頃です。ありがとうございます (2019年12月7日 14時) (レス) id: 8b40ad9508 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 桜舞姫・蝶月姫さん» 有難うございます！続編移行に注力します……少し（？）お待ちくださいませ……！ (2019年12月7日 1時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥彼方 | 作成日時：2019年11月13日 0時
