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＿＿ほんの少し騒がしい周りの様子や、何処か余所余所しいその喧騒から、
(何か、あったかな)
とAが思ったのは、事実だ。
今の今まで城塞を空けていたAとパークス唯二人は、その喧騒の意味を知らぬが故に、切り離されている。
只それは、大きな有事の際の喧騒とは比べ物になるべくもないものであり、余程大きく重要な事であった場合は、一にも二にも無く元帥であるAの耳に入れられる筈である。
故に、
(後で、訊くか)
程度の、軽い気持ちであったと言うのが、幸か不幸か、現状であった。
先ずは『イーグル』を戻してやる、と言うのが取り敢えずのA達の中の任務であったし、それ自体には何の間違いも無かった。
＿＿そう、その事自体に総て、何も間違いなど含まれていなかったのである。
.
.
飛行機＿＿此処の意味ではやや狭義に、兵士が自分の機体として使用する飛行機、とする＿＿の格納庫は、『イーグル』の格納庫とやや近い位置取りになっている。
と言って膨大な数になる飛行機の格納庫は莫迦に大きいし、階級などで区別しながら複数の格納庫を使用するので、新人は先ず其処から迷うと言う程である。
閑話休題。
『イーグル』を戻しに格納庫の辺りまで来ていたAとパークスは、一層大きくなった騒めきに揃って首を傾げた。
「元帥、……何か、ありましたかね？」
「嗚呼、だろうね。……」
流石に無視できぬそれに眉を顰めたパークスに、Aは酷く冷静な声で返した。落ち着き払っている辺りは、流石と言った所か。
Aは少し急ぎ気味に『イーグル』の、決められた様に或る程度の部品を外した。かなりの軽装になった『イーグル』と外した部品を所定の位置へ戻して行く。
騒ぎの中心となっている格納庫の一つに、Aは急ぎ足に向かう。
Aの姿を見て尚報告が来ないのは、とんでもない緊急事態だとか、力が必要だとか、そう言う事ではないのだと言う事は解る。
だが少なくとも異常事態は起きてはいるらしいと言うのも、同様に理解できた。
格納庫の扉を、人混みを縫うようにして抜けて行く。
如何だろうか、とAは一歩ごとに眉を顰める。
(何故か非常に＿＿＿)
厭な予感がする。
「Aさんッ……！」
喧噪の中にも、鈴の声は良くAの耳に届いた。
「フローラ」
格納庫の奥の方から聞こえてきた声へ、歩みを進めていく。
「之、如何言う＿＿＿」
＿＿言葉を、失った。
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遥彼方 - 。負け犬団長さん» コメント有難うございます！その辺りは本当に書いていて楽しかったので、そう言って頂けて感涙です。是非ゆっくりと楽しんでらして下さい〜 (2020年3月2日 1時) (
レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
。負け犬団長(プロフ) - 主ちゃんの怒ったシーンの描写が普段穏やかな主ちゃんとのギャップ？で読んでいてとでもドキドキしました！それと主ちゃんの怒りがひと段落したところでの主ちゃんの空への思いが文章からあふれていてとてもきれいです！ (2020年3月1日 22時) (レス) id: 10fa209271 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 瑠奈さん» コメント有難うございます！前作では大変お世話になりました。勿体無い程のご評価に舞い踊る程の喜びを感じております。此方こそ有難うございます！先は長いですが、楽しんで頂ければ幸いです。 (2019年12月7日 16時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - 蒼から来ました〜前作も感動し、今作の面白さ、読みやすさに感激している今日この頃です。ありがとうございます (2019年12月7日 14時) (レス) id: 8b40ad9508 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 桜舞姫・蝶月姫さん» 有難うございます！続編移行に注力します……少し（？）お待ちくださいませ……！ (2019年12月7日 1時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥彼方 | 作成日時：2019年11月13日 0時
