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青年は、Aが初回の飛行訓練の際軍学校を訪れた時、折悪く体調を崩していた。
その為に、A＝クラウディア元帥の青年の中での認識は、
(クライシス教官に唯一歯止めが掛けられる人)
と言う程度の物であった。
その事も、兵学校では有名な話である。
「初回の飛行訓練に、いらして居て」
「ええ、毎年、其処には必ず都合を付けられますよ」
ぴんと来ていない青年を置いて、パークスたちは会話を続けて居る。
青年は唯、無表情を更に虚無にしてぼんやり話を傍聴していたが、頭に内容の半分も入らない。
「クラウディア元帥が飛行機に乗られているのを、ちゃんと見た事がなくて。本当に楽しみです」
「嗚呼、貴方方の時は乗られなかったのですか？ 非常に鮮やかな腕をされて居る。私など
青年はその言葉に、無感動の心をちろちろ擽られて、意識を上げた。
常の泰然たる目の中に、彼の周囲の先ず見る事のない色がある。
＿＿『興味』である。
「そんなに、素晴らしい腕前なのですか」
青年は其処になって初めて、口を開いた。
謙虚と言えど、自分と同程度かと思われるパークスに、そう言わせるほどの腕の持ち主だと言う処に、青年の興味が頭を擡げ始めていた。
青年は喋らない訳では無いが、何方かと言えば無口な方に属する。
それを知っていた男は、一応初対面であろうパークスにそう話し掛けた事に目を丸くしていた。
パークスの方は、その男の反応を横目にしながら、青年に頷いた。
「貴方の腕も拝見しました。新兵と言う処を差し引いても目覚ましい腕前で居る。数年もすれば私など抜いて居るでしょう」
極めて冷静な声の中に、「が＿＿」と、微かな愉悦に似た感情が雑ざる。
愉悦、と言うには、純粋な尊敬と、驚く程冷静な第三者の視点に基づいた感情である。
「＿＿クラウディア元帥は、さあ、どうでしょうか」
＿＿疑問形で言う割にその色には、奇妙な確信がある。
パークスのその言葉に、青年の心の中の子供めいた感情は増々強く台頭し始める。
パークスと別れての後、青年は連れの男に、「A＝クラウディア元帥とはどんな人か」と、内々に訊いた。余り表立って聞く事ではない。
青年は軍所属、勿論軍事には詳しいが、如何せん人の方がそう強くなかったし、情報だけで言えば陸軍の方が情報を持って居る。情報源の問題であった。
その時は、遠くない。
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遥彼方 - 。負け犬団長さん» コメント有難うございます！その辺りは本当に書いていて楽しかったので、そう言って頂けて感涙です。是非ゆっくりと楽しんでらして下さい〜 (2020年3月2日 1時) (
レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
。負け犬団長(プロフ) - 主ちゃんの怒ったシーンの描写が普段穏やかな主ちゃんとのギャップ？で読んでいてとでもドキドキしました！それと主ちゃんの怒りがひと段落したところでの主ちゃんの空への思いが文章からあふれていてとてもきれいです！ (2020年3月1日 22時) (レス) id: 10fa209271 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 瑠奈さん» コメント有難うございます！前作では大変お世話になりました。勿体無い程のご評価に舞い踊る程の喜びを感じております。此方こそ有難うございます！先は長いですが、楽しんで頂ければ幸いです。 (2019年12月7日 16時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - 蒼から来ました〜前作も感動し、今作の面白さ、読みやすさに感激している今日この頃です。ありがとうございます (2019年12月7日 14時) (レス) id: 8b40ad9508 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 桜舞姫・蝶月姫さん» 有難うございます！続編移行に注力します……少し（？）お待ちくださいませ……！ (2019年12月7日 1時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥彼方 | 作成日時：2019年11月13日 0時
