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悶々として眠れなかったが、無理に眠りに落ちる事自体には時間を対価に成功したらしく、開いたひとらんらんの眼には、薄い朝日が差し上っていた。
上半身を起こし、片方の足を山に立て、その膝に頭を擡げた。眠って体を回復したと言うより寧ろ、増々疲労感が溜まって、倦怠感がひとらんらんの体を支配している。
昨日は現実逃避の為に何もしておらず、先ずは其処から始めねばならなかった。
唯一救いだったのは、農作業を始めとする動植物の世話の為に、ひとらんらんに早起きの習慣がついて居た事か。
ひとらんらんは倦怠感に支配された身体を無理に動かしながら、シーツを引き剥がした。
何と無く冴え切らない頭の中で、ゆっくりと思考が回り始めると、矢張り思い出される記憶は、昨夜の事だった。
(あーあ……夢じゃねえわ、之)
何ともなしに突っ込んだポケットの中のメモ用紙を取り出し、其処に記された流れるような文字に、ひとらんらんは溜息を吐く。
出来れば出来のいい夢であって欲しかったが、矢張りそれは流石に無かったようだ。
朝から妙な憂鬱を抱えながら、ひとらんらんはラフな格好に着替えて部屋を出た。
どうせ動植物の世話をしていると汚れが付くので、今だろうが後だろうが、風呂は変わらなかった。
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冬の朝は、息も色を付けたように真っ白になるほど寒かった。
ひとらんらんはそんな中を歩いた。束の間、先程＿＿否、昨夜から殆ど強制的に背負わされた悩み事からの解放を求めて、動植物に心を注ぐ。
幹部達の中では温厚な青年であるひとらんらんは、農耕等も勿論、動植物を愛すると言う、酷く穏やかな一面を持って居る。
本人たっての希望で、城塞内に誂えた中庭は彼の管轄であった。
朝の日課であるその作業を全て終了させてから、道具を片付けて、一度部屋に戻ろうとするひとらんらんに、声がかかる。
「お早うひとらん」
「マンちゃん」
ニコリ、声の主は糸目を更に細めて、麗しい顔貌にふわふわと笑みを浮かべていた。
早朝だと言うのに美しく整えた身嗜みには、一片の不備も無い。服はかっちりと着ると言うより少しこなれており、柔らかだと言うのに乱れておらず、上品ささえ感じる。
彼は「オスマン」と言う。
亜麻色の髪は軽いウェーブがかかっており、アシンメトリーの髪型。基本的に浮かべている口元の微笑、糸目に上品な口調も相まって、中性的な印象を与える。
その印象よりずっと、彼の中身は余程恐ろしいが。
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遥彼方 - saeniさん» 有難うございます！すぐに行きます。質問の方ですが、チャット行為に当たってもまずいのでHPを作りました。お手数おかけしますが、此方でお待ちしております。https://uranai.nosv.org/u.php/hp/qanda/ (2022年3月20日 18時) (
レス) id: db6f42df22 (このIDを非表示/違反報告)
saeni(プロフ) - 返信ありがとうございます。簡単にではございますが、ひとつ作品を執筆致しました。普段はd!等でなくオリジナルを執筆しておりますので、キャラに違いがあったら申し訳ありません…!!遥彼方様はどのようにして言葉や医療系の語を学ばれたのですか？教えて頂きたいです。 (2022年3月20日 4時) (レス) id: 5899b2fc5f (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - saeniさん» コメント有難うございます。お褒め頂き大変光栄でございます。私も勉強中でして、貴方様の作品も宜しければ是非拝読したいです。小説の事ですが、未熟の身でお話しできることもそうありませんでしょうが、どうぞ気軽にお聞きください。 (2022年3月20日 2時) (レス) id: db6f42df22 (このIDを非表示/違反報告)
saeni(プロフ) - 初めまして。コメント失礼致します。遥彼方様の小説本当に好きです。自分も文字を書く身なのですが、遥彼方様のような素敵な文章を書かれる方に出会えて幸せです。これからも応援しております。もし宜しければ小説について色々お話お聞きしたいです。 (2022年3月9日 9時) (レス) id: 9e65708fc2 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - らいはいさん» コメント有難うございます、返信遅れて申し訳ありません。貴重なご意見を誠に有難う御座います。余り言葉を固くしたつもりはありませんでしたが、内容の事は特に私も力不足を感じている次第です。今後の執筆の参考にさせて戴きます、お教え下さり有難う御座いました (2020年2月21日 1時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥彼方 | 作成日時：2019年10月15日 2時
