ひとり。青

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(安田side)









Aちゃんらのバンドのライブの後、Aちゃんの様子がおかしい。









ずーっとボーっとしてて、話すけど全部耳からそのまま抜けてってる感じ。









安田「どうしたん?今日、しんどい?」









『ん?なんで?』









ニコッと笑うけど、それはいつもと違うくて。









なんか、造られた笑顔を向けられてる感じ。









安田「Aちゃん、大丈夫?最近………。」









『うん!全然!元気元気〜♩』









そんなこと言うけど、渋谷さんを見かけた瞬間、一気に曇っていく表情。









………なんかあったに違いないやん。









そんな時、大倉からの一報。









"バンド解散した"









嘘やろ、って思った。









大倉から理由聞いたけど、絶対違うやん。









上村さんが絡んでるんちゃうん。









それで、Aちゃんと大倉が入るバンドないから、一緒に組んでくれ、って。









安田「でも、ベース出来る人おらんやん」









大倉「ちゃうねん、Aが出来んねん!」









安田「え、そうなん?」









大倉「うん、兄ちゃんがもともとベースしてたらしくてな、楽器の入りはベースやったらしいで」









安田「まあええで、ふたりがいいなら」









大倉「そうとなったらAに連絡せな!」









大倉はスマホを取り出し、Aちゃんに連絡し始めた。









大倉「あ、もしもし、…うん、オレオレ!
あんな、ヤスオッケーやって!
うん、やからさ、今からスタジオ取りに行こうや!

うん、え、ほな、駅で待ってるわ、うん、はい、バイバーイ」









安田「駅から一番近いスタジオでええの?」









大倉「うん」









不思議なスリーピースバンド誕生の瞬間でした。









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