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海の見えるカフェでロコモコ丼を頼むと、向かい側に座ってお冷を飲んでいる風磨くんをチラっと見る
誰かになろうとしなくていい、なんて言って彼は人懐こい笑顔を見せた
彼はきっと、誰にもなっていなくて
本当にそのままで
そのままだから、こんなに素敵な人なんだと思った
「…ん？ なんか付いてる？」
「ううん、なんか、いいなと思って」
彼にはなんか、なんとも言えない魅力がある
健人くんが "奇跡" で、勝利が "情熱" なら
風磨くんはきっと、"尊敬"
そんな、紫の薔薇が似合うのだろう
「なに、Aちゃんは不思議な子だね」
風磨くんは私がそんなことを考えていただなんて知らずに、また笑った
子供のような、笑顔だった
「私、お花屋さんになろうかな」
「お花屋さんでしょ」
「ううん、これからなるの」
小学校の卒業アルバムの将来の夢には、たぶん「お花屋さん」と書いたはずだ
その夢が薄れていったのは、いつ頃だっただろうか
そのうち正反対の感情を持ってしまったそれと、もう一度向き合ってみよう
両親が私に残してくれたものは、何だったのか
健人くんが自分を犠牲にしてまで守ってくれたものは、何だったのか
この目で、確かめたい
「私、私になることにした」
風磨くんはしっかりと頷くと、口元を緩めた
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えつ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです＾＾続編もよろしくお願いします！ (2019年4月24日 23時) (
レス) id: 94efd89660 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - はじめまして。この作品すごく好きです！一気に読んでしまいました。移行後の続きを楽しみに待ってます。 (2019年4月24日 17時) (レス) id: 88ef7968ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えつ | 作成日時：2019年4月6日 22時
