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すっげぇ名前だな、と風磨くんは呟いた
私の大学や友達のことを知りたいと彼は笑った
海辺を歩きながら、私は重たい口を開いたのだ
自分のことを話すのは得意な方ではない
けれど、彼があまりにも嬉しそうに聞いてくれるから色々なことを話した
でも彼は、両親のことだけは聞いてこなかった
そこで出たのが、勝利だ
風磨くんはその名前に驚いていて、幼馴染だと聞いて少しバツが悪そうに目を伏せた
そうか、勝利
結局あの日はあのまま、勝利は何事もなかったかのように接してくれて
結局私も何も言わずに別れたんだ
「勝利はね、すごい人なの」
頭もいいし、周りをよく見ているし、あんな態度を取るけど本当は優しいし、私にさえも気を使ってくれる人
「なーんか、周りに居る人たちがすごすぎてさ、自分が嫌んなってくる」
「どういうこと？」
「健人くんも、勝利も、瞳も、私にないものいっぱい持っててさ。
みんなみたいになりたいって思うけど、私には、なれないからさ…」
そこまで言って、あっと口を結ぶ
風磨くんにつまらない話、聞かせてしまったかな
「いいんじゃね」
彼は予想に反してポケットに手を突っ込んだまま、柔らかい笑顔を向けた
「誰かになろうとしなくていいよ。
Aちゃんは、Aちゃんでいいんだよ」
笑った彼の顔が、空高くから私たちを照らす太陽みたいに見えた
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えつ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです＾＾続編もよろしくお願いします！ (2019年4月24日 23時) (
レス) id: 94efd89660 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - はじめまして。この作品すごく好きです！一気に読んでしまいました。移行後の続きを楽しみに待ってます。 (2019年4月24日 17時) (レス) id: 88ef7968ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えつ | 作成日時：2019年4月6日 22時
