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風磨くんと連絡を取り合うようになって、知ったこと
彼は私より2歳年上で、健人くんの1個下
有名な私立大学に通っていて、今年卒業する
これまた有名な企業に内定が決まっているのだとか
家は店から歩いて15分くらいのところにあるらしい
健人くんはまだ彼をいい目では見ていなかったけれど、彼が店に来ると私を呼んでくれるようになった
風磨くんはたまに店に遊びに来ては、花を買うでもなく私と話して帰っていく
そんな日々が、何週間か続いた
「じゃあまたね」
この日も風磨くんはお店にやってきて、健人くんが作った余り物のクッキーを食べて帰っていった
店の中で薔薇の花束を作っていた健人くんはそんな風磨くんを横目で見ていた
「健人くんは、ほんとに薔薇が似合うね」
白いTシャツに映える真っ赤な薔薇
まるで健人くんのために咲いているようだった
「薔薇はね、本数で花言葉が違うんだよ」
「え、そうなの？」
「もちろん、色でも違う」
「赤は、なに？」
その手の中で笑っているように見える花びらを指して問う
「あなたを愛しています」
健人くんはその花束を私に差し出して笑う
えっ、と一瞬怯んでしまった私を見つめたまま柔らかな笑顔を保っていた
愛情、情熱…そんな意味が赤い薔薇にはあるのだと後から調べて知った
「…健人くんは、愛をいっぱい持ってる」
「Aだって、持ってるでしょ」
「……どうかな」
私は、いつまで捻くれているのだろう
いつまで引きずっているのだろう
別に愛情がないと生きていけないとか、そんなことはないと思うし
そもそも本当に愛なんてものが存在しているのかさえ分からない
でも、健人くんを見ていると自分が情けなくなってくる
私には、愛さなければならない対象がある気がして
「もういいんだよ」
健人くんは優しく私の頭を撫でた
せめて、せめてこの優しさだけは愛していたいと思った
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えつ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです＾＾続編もよろしくお願いします！ (2019年4月24日 23時) (
レス) id: 94efd89660 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - はじめまして。この作品すごく好きです！一気に読んでしまいました。移行後の続きを楽しみに待ってます。 (2019年4月24日 17時) (レス) id: 88ef7968ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えつ | 作成日時：2019年4月6日 22時
