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「ただいまぁ」
家を出て行く時に持っていた花束だけがなくなった状態のまま帰ってきた健人くん
いつもと同じ笑顔を浮かべている
「菊池、来てたの?」
台所にあった2つのコップを見て、彼が問う
「……白、」
「え?」
「私には白が似合うって、風磨くんは言ったんだ」
これから、何にでもなれるって
何になりたいのかなんて分からないのに
彼は妙に胸を張って、自信有り気にそう言ったんだ
「…白い薔薇の花言葉、知ってる?」
健人くんは優しくそう言って、壁にもたれかかる
「私は、あなたにふさわしい」
ストン、と胸の奥で何かが落ちたのが分かった
風磨くんがその意味を知っていたのかは分からないけれど
しばらく健人くんを見つめていた私は、ゆっくりと歩き出した
わずか十数分前に帰ったばかりの風磨くん
今ならまだ、間に合うかもしれない
玄関を開けると、思わず走り出していた
何を伝えたいのかは分からない
でも、なんだかこの気持ちを止められない
不思議だ
人はこんな気持ちを、なんて表現するのだろう
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えつ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです^^続編もよろしくお願いします! (2019年4月24日 23時) (レス) id: 94efd89660 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - はじめまして。この作品すごく好きです!一気に読んでしまいました。移行後の続きを楽しみに待ってます。 (2019年4月24日 17時) (レス) id: 88ef7968ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えつ | 作成日時:2019年4月6日 22時