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「おーはなーやさんっ」
無邪気な少年のような笑顔を浮かべ、白Tにダメージジーンズを履いた風磨くんがやって来た
お店の中をぐるぐる見渡した後、今日も花ではなく私の手を取った
「注文、していいですか」
「なんでしょう」
「ご注文は、Aちゃんで」
ヒャヒャヒャッと奇妙な笑い方をすると、今日は自分を睨んでこない健人くんに首を傾げた
変に緊張するものだと思っていたのに、私はその顔から目を逸らすことができなくなった
「あれ、2人揃ってどうしちゃったの」
「……ぇ」
「ここはツッコむところでしょ」
ニコッと笑うと、私の手を離して「暑いなぁ〜」と天井を仰いだ
「Aちゃん顔真っ赤」
「ぁ、っ、いや…」
「ふふ、かーわい」
そんなことを言って顔を覗き込んでくる
この自由人に弄ばれているような気がする
風磨くんと会うと、完全に彼のペースに飲み込まれてしまう
そんな、ちょっぴり不思議な男の子
「A…と、菊池。俺配達行ってくるから留守番頼むぞ」
健人くんがエプロンを取って、瞬きも忘れていた私に声をかける
「2人でお留守番だって、Aちゃん」
嬉しそうな風磨くんに首を傾げると、健人くんはそのままお店を出ていった
残された私と、少年
幸か不幸か、お客さんはやって来そうもない
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えつ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです^^続編もよろしくお願いします! (2019年4月24日 23時) (レス) id: 94efd89660 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - はじめまして。この作品すごく好きです!一気に読んでしまいました。移行後の続きを楽しみに待ってます。 (2019年4月24日 17時) (レス) id: 88ef7968ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えつ | 作成日時:2019年4月6日 22時