エ イ ト も の が た り

渋谷家 ページ17

信五said
信｢外出…許可？｣

す｢せや。出たんや。｣

信｢えっ？ホンマに？嘘やない？｣

す｢こんなんで嘘つかへんやろ。｣

亮｢お出かけしよ。マルも外出許可出たんやって。｣

忠｢みんなでお出かけ！｣

信｢ほんまか！嬉しいなぁ…出かけるん久々や。｣

久々に7人で遊べるのはほんま嬉しかった。
ただどこに行くかってのが全然決まらなくて
揉めてたらしくて決まったと言われたのは
しばらく経ってからのことやった。

ユニバか…俺は嬉しいけど
マルは大丈夫なんかな…
乗れるんも少ないやろし。
本人は喜んでるらしいけど…
俺の外出許可が出てるんは次の土曜日から1週間。
マルはもうちょい前から出るらしいねんけど
まぁ楽しみでしゃーないわ。
そんなことを考えていると
ｺﾝｺﾝと小さなノックの音が聞こえた。
誰やろ…すばるは今日部活や言うてたし
ヨコも仕事ある言うてたから来る人は限られてるし
オカンはこんな時間には来おへんからな…

信｢はーい。｣

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

亮｢えへへ…しーんちゃ！｣

信｢亮？どしたん？｣

亮｢りょーね、ひとりで来たの！｣

確かに家から病院は近いから歩いてこれるけど
ひとりで来るなんて思いもしなかった。

亮｢りょー4歳なったからさもうお兄ちゃんやねん。
暇やろなって思って。りょーも暇やったから。
しんちゃに会いたかったんよ。｣

亮は大人っぽいって言われるけど
別にそんなことないと思うし
まだ子供っぽい所も沢山あって
ほんまに可愛いわ…

信｢せやな。亮もう花組さんやもんな。偉かったな！｣

亮｢うん！｣

そう言って頭を撫でてあげたら
めっちゃ嬉しそうな笑顔でこっちを見てきた。

亮｢しんちゃ、あのな。これ作ったの。｣

そう言ってカバンから亮が出したのは
エイトレンジャーの折り紙。
全員分揃っててでも所々シワになってて
そこがまた可愛い。

亮｢ナスレンジャーのやつ開けてみて？｣

もったいない気もしたけど開けると
そこには習ったばかりの字でお手紙が書いてあった。
『しんちゃへ
おでかけたのしみやね！だいすきやで。
これからもがんばってね！りょう』
短いし、字が逆さまになってたりするけど
何度も消しゴムで消した跡があって
頑張って書いてくれたんやな
っていう思いが伝わった。

信｢亮ありがとう！じゃあここに飾るな！｣

亮｢ほんまに？やったー！｣

そこからと言うもの
いつもたつがおって
甘えるのを我慢してた反動か
亮はずっと甘えん坊になってた。
まぁ可愛いからええねんけど。

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