涙の答え (ページ3)

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信五said

今日は仕事早く終わる予定やったのに

収録押してもうたけどやっと帰れると思ったら

ヨコから電話がかかってきた。

電話なんて珍しいなとは思ったけど

休ませてくれよっていうイライラの方が強くて

思わずその勢いで電話に出てもうた。

そしたらヨコが焦って俺の事呼んでるから

ただ事やないってことは分かってんけど

ヨコがパニックになりすぎて

何言うてるんかよう分からんかったから

一旦落ち着かせてから話を聞いた。

裕｢すばるが…さっき一緒に飯食ってたけどｸﾞｽﾞｯ

鼻血出して止まらんようになって…｣

鼻血で意識失うて相当やばいんちゃうか？

普通鼻血でそんな量出ないやろ。

気がつけば俺は勝手に今から行くと答えていた。

幸い今いる所から近い病院やったからすぐに着いた。

信｢ヨコ！｣

裕｢ヒナ…ｸﾞｽﾞｯ｣

信｢ちょ…もう泣かんといてや…

頑張ったな1人で。怖かったやろ…ありがとう。｣

裕｢えっ？聞こえへんかった。もっかい言って？｣

信｢もう言わんわ！やっと泣き止んだな。｣

しばらく2人で待っていた。

その間何を話すのでもなく

ただ2人とも考えてる事は一緒なんやろな。

医｢渋谷さんの付き添いの方ですか？｣

信｢あっはい。そうです。｣

医｢少し…よろしいですか？｣

裕｢すばる…渋谷の母にもさっき連絡したんですけど

このご時世…すぐには来られないみたいなので

電話で繋いでもいいですか？｣

医｢そうして頂けるとありがたいです。｣

信｢で…すばるは大丈夫なんですか？｣

医｢渋谷さんは…白血病です。｣

裕｢白血病…｣

医｢病名はご存知ですよね。

治療でこれから

抗がん剤治療を始めていく必要があるんですけど

それと同時に骨髄の移植が必要です。

これにはドナーが必要で

ドナーは型が渋谷さんと合わないと行けません。

御家族と一致する確率が高いのですが

希望される方は身の回りの方の型も調べて

一致した場合移植することが出来ます。

また身の回りの方で見つからないと

骨髄バンクでドナーを探すことになりますが

順番が回ってくるのと型が一致するのを待つのは

かなり長くなると思います。

のちのちご本人ともお話させていただきますが

後日御家族の皆さんにも

こちらへ来ていただければと思います。｣

母｢分かりました。次の週末に行かせてもらいます。｣

この時俺とヨコはただ愕然として

1番辛いはずのすばるのオカンに

何も言ってあげられなかった。