見えない愛2 (ページ9)

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忠義said
みんな俺が疲れてるやろうって早く帰ってくれたけど
俺はもっとみんなにいて欲しかった。
退院すればもっと一緒におれたのにな…
そんなことを思うと自然と涙がこぼれてきて
次第に止まらなくなって俺は自分を責めた。

急にドアが開いて村上くんが入ってきた。
｢大倉は死なない｣って言ってくれて嬉しかった。
でも八つ当たりって分かってても
村上くんに怒ってもうた。
こんなことしたい訳やなかったし
もっと傍にいて欲しかった。帰って欲しくなかった。
なんで俺は強く当たってまうんやろう…
村上くんが落ち着かせようとしてくれたのに
結局怒らせてもうて申し訳ないことしたな…

その時村上くんが言ってた
中学生の白血病の子の手紙を
村上くんは置いてってくれた。
俺よりも若くて、まだ小学生で
きっと俺よりなんで？って思ってて
人生これからって時やのに
その手紙には

『大倉くんががんばってるからぼくもがんばれます。
ゆうきをくれてありがとう。
元気になったらライブに行きたいな。
ぼくもがんばってびょうきをなおすから
大倉くんも元気になってね。だいすきだよ。』

って書いてあった。
ひらがなも逆になっている文字があるのに
俺の名前を一生懸命漢字で書いてくれて
俺はすごく元気と勇気をもらった。
次に来てくれた時絶対謝ろう
俺はそう心に誓った。

携帯がなってヤスからメールが来た。
『大倉大丈夫？明日もみんなで行くからな。
村上くんめっちゃ反省してたから許してあげて。
あと、何か欲しいものある？』

ヤスの気遣いが俺の心を満たしてくれた。
明日…明日村上くんに謝ろう。

『大丈夫やよ。俺の方こそ謝りたいねん。
欲しいものはな…とりあえず本やな。
ヤスのおすすめのとか読んでみたい。
目が見えるってすごいことなんやね。』

俺は送信ボタンを押して寝ることにした。