見えない愛2 (ページ23)

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隆平said
極力大倉のそばにいてあげたいけど
無理して俺らまで倒れたら大変やから
ご飯の時間はちゃんととることになってる。
けどやっぱ大倉の元を離れたくないから
急いでご飯を食べてまた戻ってきた。
上3人を待たせてもうてるしな。

亮ちゃんが最初に病室に着いてんけど
中に入ろうとしないでいるから
どうしたん？って聞いたら
ちょっとあれ見てって言われて
章ちゃんと亮ちゃんと3人でそっと覗いたら
信ちゃんが泣いてて
すばるくんと横山くんが慰めてた。
3人の絆は固いんやなって思った。

きっと2人は信ちゃんが溜め込んで
ボロボロになりかけてることに
気づいてたんやと思う。
でも…俺らの前で聞いたら信ちゃんが嫌がることも
恥ずかしがって素直にならないことも
知ってたんやと思う。
俺は自分のことで精一杯で
信ちゃんが醸し出していたSOSに
限界を超えたであろう信ちゃんの心に
こんなにそばにいたのに全然気づかなかった。
気付こうともしなかったのかもしらん。

だからこそこの時間にこの空間に
入ったらあかんと思った。
きっとそれは2人も同じで…
ただその様子をそっと見守っていた。

信ちゃんが自分のことで泣くのを久々に見た。
元々泣き虫やのにずっと我慢して…

入らずに待っていすぎても逆に不自然やから
何事もなかったようにもう一度
廊下に戻って今来た感じで病室に入った。

亮｢遅くなってごめんな！
マルが夕飯全然決めへんから。｣

隆｢どれも美味しそうやったんやもん…｣

章｢3人も行ってきてええで。｣

す｢ありがとう。ほな行ってくるわ。｣

裕｢もしなんかあったらすぐ連絡してや。｣

信｢大倉起きたらすぐ言うんやで！｣

3人がドアを閉めた途端
さっきの光景についての話が始まった。

亮｢俺全然気付かへんかったんやけど…｣

章｢亮だけちゃうで。｣

隆｢やっぱ3人にしか
わからない何かってあるんやろな。｣

忠｢なぁ｣

章｢大倉？起きたん？｣

忠｢俺ほんまは起きててん。
起きた時に村上くん泣いてたから
なんかどうしていいかわからんくて目つぶってた。｣

亮｢何やねん。てか大丈夫か？もう痛ない？｣

隆｢なんかあったらすぐ言わなあかんからな。｣

章｢とりあえずお医者さん呼ばなあかんのちゃう？｣

隆｢じゃあ呼んでくるわ！｣

亮｢ナースコールでええやろ。｣

隆｢そうやん！｣

忠｢ごめんな…また辛い思いさせて。｣

章｢1番大変なんは大倉やろ？
俺らは大丈夫やから。みんなで支え合ってこうや。｣

忠｢ありがと｣