見えない愛 (ページ50)

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信五said

後ろから苦しそうな呼吸音が聞こえて
ふと振り返るとそこには顔が真っ青な亮がいた。

信｢亮？大丈夫か？｣

そう言うと亮は俺の方を見て
ﾊｧｯﾊｧｯと荒い呼吸をした。
皆で落ち着かせようと思って
必死に話しかけるんやけど
亮も必死で聞こえてないんかな
どんどん悪くなってくばかり…

亮｢ﾊｧｯごめんﾊｧｯﾊｧｯなさっ｣

なんで謝るんやろか亮は悪ないのに
何とか落ち着いて欲しくて何度も話しかけたけど
次第に目が虚ろになってきて俺の方に倒れてきた。

信｢亮！亮！分かるか？｣

呼びかけても反応も無くて困ってたら
ヨコがナースステーションに行って
助けを呼んできてくれた。

医｢錦戸さん？分かりますか？
とりあえず別室で点滴しますね。｣

亮はそのまま運ばれてもうて…

忠｢亮ちゃん大丈夫なん？｣

隆｢とりあえず大倉は手術のことに集中してな？
多分亮ちゃんもそれ1番望んでると思うで？｣

章｢せやで。
亮のことは何か分かり次第言うから大丈夫やよ。｣

す｢ヒナ…お前亮のとこ行きたいんやろ？｣

裕｢心配なんやろ？｣

信｢せやけど…｣

忠｢行ってあげて！俺が皆を独り占めしたら
亮ちゃんが泣いてまう…それは嘘やけど
でも亮ちゃんが目を覚ました時に
誰か傍にいてあげて欲しいねん。｣

信｢わかった。ありがとさん。ほな！｣

そう言うと俺は廊下をダッシュして
亮の病室に向かった。

信｢亮！｣

まだ目を覚ましてないけど点滴に繋がれて
さっきより幾分顔色も良くなった亮がいた。

もっと早く気づいてあげれんくてごめんな…
苦しかったな…変わってやりたいわ
そんなことを思いながら亮の顔を見てると
瞼がピクピクっと動いた。

信｢亮！大丈夫か？｣

亮｢村上くん…ごめん…大丈夫。｣

うるうるの目でこっちを見るから少し照れる

信｢ええねんええねん。もう少し休むか？｣

亮｢大倉のとこ行きたい。｣

やっぱそう言うやんな。
あかん言うても聞かんのが亮やから

信｢わかった。でも無理せんでよ。俺隣おるから。｣

亮｢ありがと………なぁ村上くん｣

急に呼ぶから何かしたか思ってびっくりした

亮｢やっぱ怖いから手…繋いでくれへん？｣

申し訳なさそうにこっちを見てそっと手を差し伸べて来る亮に思わず笑ってもうた。

亮｢えっあっごめん。｣

信｢ええよ。繋ごか。ほら手ぇ出せ。｣

亮｢うん！｣

信｢ほな行こか。｣

手術室の前に着いてからも亮が不安にならないようにずっと手を繋いでいた。

作者より
移行します。