見えない愛 (ページ46)

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隆平said
そのままみんなで3時間くらいわーわーやってて
暗くなってそろそろ帰ろうって話になった。
大倉にバイバイして病室を出ると
真面目そうな顔の信ちゃんに
ちょっとええかって聞かれた。
横にいるすばるくんも
さっきまで笑っとった裕ちんも
怖いくらい真面目な顔やから
きっとなんかあかん事なんやろなって悟った。

信｢大倉のことやねんけど…｣

裕｢大丈夫。｣

信｢せやな…今回腫瘍が摘出出来たとしても
大倉の腫瘍は悪性やから
再発するリスクがめっさ高いんや。
で…もし再発したら…大倉はっｸﾞｽﾞｯ｣

泣き出す信ちゃんからその先は悟ってしまったけれど言い終わるまでは誰も何も話さない。

信｢もっｸﾞｽﾞｯもう…｣

す｢…あかんねんて。
もう一度治すことは不可能に近いらしいねん。｣

信｢…すばるｯｸﾞｽﾞ｣

裕｢ごめんな…大役ひとりで任せて。
俺が1番年上やのに。｣

信｢俺が言う…って自分で言ったんやから…｣

亮｢なぁ村上くん…
それって今回治っても
次なったら終わりってことやんな。｣

信｢せや。｣

亮｢うせやん！いつから知ってたん？｣

信｢病気の説明された頃…｣

亮｢やったらもっと早く教えてくださいよ！｣

章｢亮！信ちゃんもみんな
俺らのこと考えてくれたんや。｣

滅多に怒らないヤスが怒ったから
その場がめっちゃ静かになった。

章｢亮ごめん、強く言いすぎたわ…｣

亮｢…ごめん｣

す｢でな、大倉にもいつかは伝えなあかんのやけど…どのタイミングがええのか俺らにはわからんから
一緒に考えてくれへん？｣

章｢うん｣

亮｢ええよ。｣

章｢俺は仕事復帰する時に
気ぃつけてやって意味で言うんがいいと思う。｣

亮｢うーん…俺は退院するときかな…
少なくとも今やないと思う。手術終わってから。｣

なんでみんなそない切り替えられるん？
俺はまだ一言も話せへんくらいショック受けてんのに話はどんどん進んでくからもう着いていけない。
俺は弱いんかな…俺がおらん方が…

裕｢マル！マルはどうやねん。｣

信｢せや、お前さっきから一言も話してないやろ。｣

す｢みんな怖いんや…でも1人やない。
いちばん怖いのは大倉や。
俺らビビっとったらどないすんねん。｣

隆｢…ごめん。｣

いちばん怖いのは大倉。そうすばるくんに言われて
自分がなんてことしてたんだって初めて気づいた。

隆｢俺やったら仕事復帰のタイミングかな…｣

信｢やっぱみんな意見割れるよな。｣

す｢俺らも退院か仕事復帰かで割れたんや。｣