ひと夏の恋 (ページ3)

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#３ページ3

休み時間、特に仲のいい子もいないから、

読書中。

「なに、その本？」

『えっ！？』

いつの間にか作間くんが隣に座っていた。

……まあ、隣の席だかおかしくはないか。

『えっと、

いろんな部活の主人公の

成長が書かれている短編集、です。』

うまく説明できてるかな？

作間くんの表情を見ると、

あんまり興味がなさそうな感じ。

「それ、面白い？」

『うん、めっちゃ面白いよっ。

まだ、読み途中だけど。』

「じゃあ、今度読んでみる。」

いつも本をあんまり読んでない

作間くんが言うもんだから

疑ってしまいそうになる。

「作間、発見！」

突然、作間くんに後ろから

抱きついた人にちょっと驚く。

「浮所、暑い。」

浮「えー、そっちの空気のほうが

熱々だったじゃん。」

「斉藤に迷惑かかるから。」

浮「はぁい、

ごめんね、斉藤。」

あ、いや…、となんとも言えない

答えしか出てこなかったけど、

浮所くんにいじられたことで

頭の中がいっぱいだった。

・

浮「ではでは、

作間くんお邪魔しました～。」

「早くはやく、

いいから、そういうの。」

バシバシと肩を叩く浮所くんに、

いろいろ文句を言っている。

なんだかんだ仲いいんだね。

『浮所くんと仲いいんだね。』

「あっちからの圧がすごいけどね(笑)」

なんか作間くんの新しい一面が

見れたかも。

　