悔いなき選択－調査兵と元ゴロツキ－ (ページ27)

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貴方side

壁外に位置する古城。

外見こそはボロボロだが、夜を明かすには丁度良さそうな場所。

埃っぽい匂いが鼻をくすぐる。

私たち調査兵団の今日の寝床はここに決まり、
各々自分の休むスペースを確保し
仲間同士で喋ったり、夕食を食べたりしていた。

夕食と行ってもパサパサの遠征飯だけど…

そんな中、私はというと…

ゴッチィィィイイン!!!!

「い゛ったああああああ！！」

ﾌﾗｺﾞﾝ「フロイヤ！！貴様は一体何を考えているんだ！

自分のしたことがわかっているのか！！？」

そう、分隊長によるゲンコツ＆お説教中です…。

原因は、何を隠そうさっきの私の勝手な行動。

指揮官からの命令を無視したということで
一歩間違えれば…

…大変なことになるところだったのだ。

「…ごめんなさい」

何度目かの謝罪の言葉を述べても分隊長が許してくれる気配はない。

そりゃあ人の命が懸かってるのだから無理もないけれど。

私は分隊長の言葉を聞き流すことなく黙々と聞いていた。

ﾌﾗｺﾞﾝ「兎に角、二度とあんな無茶はするな

何のために各班に班長がいると思っている

部下に庇われて、おまけにその部下が死ぬなんて

俺達上司の立場がないだろ

フロイヤ、お前は人一倍他人に迷惑を掛けるのを嫌う

…だがな、人に頼ることも大事なことだ」

「分隊長…」

だんだんと柔らかい口調になっていく分隊長を見て何故だかすごく安心した。

言い終わると分隊長は私の肩に手を乗せ
あの3人にも感謝しろ、と言って何処かへ行ってしまった。

そうだ、私が今生きてるのはあの3人が助けてくれたからだ。

お礼を言いたいと思い辺りを見回すと
見覚えのある刈り上げ頭が見えた。