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御霊 柊【色が欲しい】 ページ2
「今日はこの神社の御神体見せてやるべ」
夕方じいちゃんが連れてきてくれたのは、神社の本殿だった。
肌寒い風が流れて、黄色い銀杏を巻き上げる。
一枚、肌を掠めた。
ぱしりと音がした。少し痛い。
じいちゃんは気づいてない。本殿の扉を開けているから。
「じいちゃん、本当に御神体見せてくれるべ？」
「本当だ。次期神主はお前にしたいと思うからな。今のうちに見ておけ、彼奴らの邪魔が入らぬ内になな。」
黒い金属の箱が現れた。
銀の箱だったのだろう。親に認めて貰いたくて勉強した知識が此処で役に立つなんて、皮肉だな。
「ほら柊、こい。」
本殿の中に入る。
外の気温より、少し暖かく感じる。
「これだ。次期当主が見る、御神体。
渚ノ久遠大神の腕輪。」
一見、ただの木製の腕輪の様だった。
だが、違う。大永と書かれた掘り模様。
「500年前の？」
「そうだ。」
腐りの見えず、漆が丁寧に塗り込められた美しい物。
「綺麗……」
「じゃろ？次期神主に見せるしきたりだ。」
はぁ、と息を出したその直後。
背中に大きな衝撃が走った。
そのまま前に倒れこむ。
「父さん！俺たちが一番に見るはずだったろ？！」
「
ああ、父親に蹴られたのか。
息が止まった。
嗚呼、気が遠くなる。
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