＋＋＋＋＋ ページ33
.
「んだとぉ！？ぐ、っ」
Aの言葉に食いかかろうとするも蹴りが相当効いているのか、蹴られた胸元を抑えて蹲る白狼
「人間がぁ……！」
「人間人間と…余程人間が嫌いなようだな貴様」
「当、たり前だ…！
なぜあんな、脆弱な生き物を好きになどなれる…！？
腹の足しにもならんわ……！」
「だから器が小さいと言っているのだ小物が」
呆れたようにため息を小さくこぼしたAは鯉伴を見て、鯉伴もAを見ていたために視線が合うとふわりと笑みを浮かべ再度白狼へと鋭い視線をやる
「貴様の言うように人間は百年も生きれぬ生き物だ。
だからこそ、人間は美しい」
「は……？」
「老いることも死ぬことも
それは生きれる時の短い儚い人間の美しさだ。
だから短い時を生きる人間は愛おしく、尊い」
「……戯れ言だな」
「それを理解できぬ貴様は器が小さいと言ったのだ。
ぬらりひょんは、それを理解し
人間とは、妖にも劣らぬ強き生き物。
本当の強さも知らぬ貴様が百鬼を背負うなど千年早いわ」
ドゴォン
再びAの蹴りを入れられた白狼は今度こそ、意識を飛ばした
白狼組の幹部たちは皆Aの覇気に当てられ気を飛ばしていて、この勝負Aの一人勝ちだ
ぐたりと倒れた白狼を見て、覇気を収めるとぬらりひょんたちもホッと息を吐く
「鯉伴」
「っ……お、おふ、くろ……」
「怖かったろう。もう大丈夫だ」
鯉伴に歩み寄ったAは大切に大切に、息子を包み込んだ
その温もりに、意思とは裏腹に鯉伴の目から涙が流れ出す
「殴られても泣かなかったのだな。流石は私の子だ」
そう言って、Aは腫れぼったい頬に手をかざすとそこが淡く光り痛みも腫れも引いていつもの顔に戻った
「たぁっく、なぁにやっとんじゃいバカ息子！！」
「だっ！！！いっっ〜」
ガンッと脳天に父により落ちたゲンコツに鯉伴は驚くもどこか安堵した
「親父……」
「まぁ、無事でよかったわい」
「……悪い……」
「しっかしAの覇気で白狼組ほぼ全滅じゃな。
根性の足りん組じゃ」
「そうだな」
見事にAの覇気により一掃された白狼組の面々は奴良組の妖怪たちに縛り上げられてどこかに捨てられていく
奥にこもっていた小妖怪たちも覇気がなくなったことでワラワラと出てきてそれを手伝っている
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 424人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「家族」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜蝶(プロフ) - 本気で最後に涙が止まらなかったです！続編をこれから読みますが、今度は嬉し泣きしそうですね(*^^*) (2020年3月21日 4時) (
レス) id: 226c36eb4d (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 続編嬉しいです！！私と皆さまの声が届いたようで、本当に嬉しいです！！ (2020年1月11日 23時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ことみ(プロフ) - 続編決まって楽しみです！！ (2020年1月11日 19時) (レス) id: eb62bdd2ac (このIDを非表示/違反報告)
紗那(プロフ) - 初めまして。この小説すごく好きです。なのでこれで終わりにして欲しくないです。続編をお願いします(^^) (2020年1月10日 14時) (レス) id: fa79a8dffc (このIDを非表示/違反報告)
菊 - 続編希望です！ (2020年1月6日 21時) (レス) id: add80d975f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：江
| 作成日時：2019年9月24日 16時
