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貴「え!?」
牛「いらないのか?」
貴「いります!でもこれ…」
牛「金はいらない。奢る」
貴「…いいんですか?」
牛「160円くらいで財布の中身はさほど変わりはしない」
貴「それは、そうですけど」
まさかこうなるとは思ってなかったAは戸惑いつつも牛島にしっかりと感謝を伝えた。
彼はああ、とだけ答え自分のコーヒーを買うと戻るぞ、と言う。
Aは牛島のあとを追うように階段を上り始めた。
貴「なんかもう、こういうのをさりげなくできる牛島さんはやっぱりイケメンですね」
牛「?」
貴「カッコイイです」
顔をほんのり赤くしながら照れくさそうに笑うAに牛島はなんとも言えない感情が押し寄せてきた。
それがなんなのかは分からないが、悪い気分にはならないことだけはわかった。
いや、悪い気分どころかむしろいい気分になる。
さっきの嬉しいという感情が押し寄せた時に似ている。
牛「………そうか」
自分が心の中で名前の知らない感情にめちゃくちゃになっていることを悟られたくなくて牛島は素っ気ない言葉を返してしまう。
けれどAはそれに気づかず相変わらずだった。
貴「ミルクティー、大事に飲みますね」
牛「ただのミルクティーだろう」
貴「牛島さんが私のために買ってくれた、特別なミルクティーですよ」
牛「よくわからんが、喜んでもらえたのならよかった」
貴「えへへ」
だから、そんな表情をするな。心が乱れる。と心の中でつぶやく。
平常心が乱されるからそんな顔を見せないでほしい。
でももっと見たい。
矛盾した気持ちがさらに平常心というものから心を突き放していく。
貴「あっ、私次の授業移動教室だ!すみません牛島さん先戻ります!ミルクティーありがとうございました!」
牛「…ああ」
階段を一段飛ばしで駆け上がっていくAを牛島は見えなくなるまで見つめていた。
Aが見えなくなたことでさっきよりは心の乱れはなくなったけれど今まではなかった胸の温かさに疑問を抱いた牛島はあとでチームメイトたちにこれはなんなのかを聞いてみようと心に決めたのだった。
牛島さんに奢ってもらう。
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シロップ(プロフ) - なるほど。分かりました笑笑。結構面白くて、牛島さん天然というか鈍感というかそこが、可愛くてにやけてました。他、フルボッコだドン!に爆笑してしまい腹を抑えてました(*≧艸≦)続編があるみたいなのでそちらの方も楽しみに読ませていた抱きますね!d('∀'*) (2019年1月7日 22時) (レス) id: 83abb8a3dd (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - シロップさん» シロップ様。たまたま開いていた時にコメントを頂いたもので笑 今一般的にジンジャーエールというのはコカ・コーラ社のものがジンジャーエールとして幅広く知られているかと思います。ドリンクバーもこれしか見たことないですね。 (2019年1月7日 20時) (レス) id: 6fc283c30a (このIDを非表示/違反報告)
シロップ(プロフ) - 返答早い笑そうなんですか。私飲んだことないのでジンジャーエールって書かれているのを見てお酒を飲んでいる学生かと思いました:(;゙゚'ω゚'):違うんですね。 (2019年1月7日 20時) (レス) id: 83abb8a3dd (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - シロップさん» シロップ様。確かに辛味のあるジンジャーエールもございますが今一般的によく売ってあるのは甘いタイプのものです。ドリンクバーにあるのも同様です。ですので甘い炭酸ジュースです。 (2019年1月7日 20時) (レス) id: 6fc283c30a (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - シロップさん» シロップ様。夢主たちは学生です。ジンジャーエールはお酒ではなくノンアルコールの炭酸飲料です。 (2019年1月7日 20時) (レス) id: 6fc283c30a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:江 | 作成日時:2018年8月28日 1時