Sorry Sorry Love

３ ページ21

無神経な上に、鈍感やもん。


「小瀧の藤井さんのイメージの悪さ！
仮に、二人が付き合うててもええよ。
そしたら、かっさらうだけやん」


「しげのくせに言うやん」


「威勢だけはええって？
まじでそれ！
あの子、攻略法ないねん」


「なあ、しげ。
俺さ、しげにまだ言うてなかった事あるねん」


「ん？何やねん。
気持ち悪いな。
お前も神山くん好きとか言わんよな？」


「なんでやねん。
俺が好きなんは、
そのさ・・・」


「まさかの！俺とか言うてまう？」


「あほ！なんでそうなるねん！
俺が好きなんは、流星やねん」


「流星って・・・
藤井さん？」


「うん・・・
俺、大学時代、流星と付き合うてた」


「・・・まじでっ？！」


「黙っててごめん」


「いや、そら、隠すやろ。
やりにくなるし。
そんでか！
なんか小瀧、
藤井さんの事、意識してんなあとは思ってた。
認めてもらいたいだけや思うてたわ」


「うん。
認めて欲しいねん。
誰より」


「小瀧はさ、藤井さんにぶつかってみいひんの？」


「俺の事なんか、とっくに忘れてるもん。
それに、さっき、レストランの前で神山さんとキスしてたし」


「ほんまにっ？」


「うん、俺、店にマフラー忘れて取りに行ったやろ？
見てしもてん」


残像。

消そうと思うのに、
胸にこびりついて離れてくれへん。


気付いたら、涙が溢れてた。


気心知れた、しげの前やし、
酔いが残ってるせいやな。


「・・・小瀧、泣くなって。
可能性は低いけど、
見間違いかもやし、
不慮の事故かもやし、
酔うてるノリでしただけかもやし」


「流星はそんなヤツちゃう。
それに、神山さんて真面目そうやん」


「うん・・・
でも俺は諦めへん。
あの子やないとあかんねん」


「しげは前向きやな」


「あほなだけや」


「ふっ、俺もあほなりたい」


「なれなれ！
ぶつかろうや！一緒に。
撃沈したら慰め合うたらええやん」


しげみたいに強くなれたらな。


けど・・・

過ぎてしまった年月、思い出の数分、
そんな簡単ちゃうねん。

捻れてしまった、流星への想い。


がんじがらめになってるのも、
何もかも、自分のせい。

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