Sorry Sorry Love

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不意にそんな事、呟く。


「望の好みやんな」


「うん」


ずっと渡せずじまいやったプレゼントがある、
言うてええかな。

言葉が喉の奥に絡みついて、
出てけえへん。


あの頃さ、望がこのブレス、欲しがっててんで？


「この冬の期間限定で数量限定やから、
なかなか手に入れへんねんて・・・
はあ、諦めるか、がっかりやな」


そんな会話交わした事も、
望は忘れてるかもしれへん。


同じ物って事は、流石に、
多分、気付いてないと思う。


実はあのブレス、ペアで買えてん。


あの頃、渡せずじまいやった望のも今も取ってあるで、


それを口実にしたら、
二人で会うてくれるかもしれん。

切り出せ。


自分を急き立てても。


「もうすぐ初日やな」


代わりに出てくるのは、
取るに足りへん言葉だけ。


「うん・・・」


「なんでそんな自信なさそうやねんな。
望、頑張ったやん。
惹き込まれる、
ええ演技出来るようになった。
最初の棒読み、早口には、
どうしようか思たけどな」


からかったら、望はほっぺた真っ赤にしてさ。


「流星、酷い！」


俺を可愛いらしく、睨んでる。

笑みが漏れる。


「流星、最後の練習してくれる？」


「・・・もちろん」


最後。

その言葉が胸を刺す。


すぐそばにある筈のざわめきが、遠くなる。

意識の外へ・・・


もう好きやって、口にしてまいそうに、
駆り立てられてる、想い。

望が愛おしくて、苦しい。


思い出した。


恋って、こういう感情や・・・


自分だけのものにしたい。

他なんか、関係ない。


そんな横暴なまでに自分勝手な、感情。


望の視線は、まだ俺の手首に落ちたまんま。

なんなら、凝視しとる。


「このブレス、
そんなに気に入ったんなら、あげよか？」


思わず、呟いてた。


「え・・・？」


「お礼のお礼言うか。
クリスマスプレゼントに」


実は家にもう一つ望の物がある、って、
もう声になるとこやった。

その時。


「・・・やっばり、流星はとっくに忘れてるよな」


望が低い声でそう言った。


「望？」


「ううん、ええねん。
こんな些細な事、忘れてて当たり前やし」


「望、ちょっと待って」


手首を掴んだ時。

テラスに、重岡くんが出て来た。

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