Sorry Sorry Love

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向こうから電話を切られたんは、
初めてやったかも知らん。


まるで、自分ごと拒絶されたような痛みが走った。


これで終わりになんかさせへん。


何してでも、
望の心を取り戻してみせる。

そう決意して、待ち合わせ場所に行ったのに・・・








望の意思は固かった。


大学時代、二人で通い詰めたカフェの窓際の席。


クリスマスイブの今日。

店内には大きなツリーが飾られて、
クリスマスソングが流れてる。


みんながそわそわしてる、この季節。


向かい合うた望は、

泣き出しそうな顔して、
自分の膝の上で、
拳を握りしめてた。


それやのに。


「流星んちにある荷物はもう捨てといて。
俺、新しい暮らしをしたいねん」


やけにはっきりした声で言う。


「新しい暮らしって？
望、どっか引っ越すん？
もしかして大阪帰るん？」


「それはもう流星に関係ないことやから」


「待ってや。
俺ら、３年も付き合うててんで？」


同じ大学で、
同じ学部の後輩やった望。

俺は一年留年しとるから、
出会った時の学年は２つ違い。


俺は２１、望は１８の時、
出会ってすぐに恋に落ちた。


「後半の１年半は、
付き合ってないも同然やったやん」


「ごめん・・・」


「もうええねん。
終わった事やから」


「望、待ってや。
俺が悪かったから」


「けど、流星、変わらへんやろ？
俺、もっと俺だけを見てくれる人と付き合う。
一人で寂しくて泣くのはもう嫌やねん」


「ちょっと待ってや。
もう新しい誰かおんの？」


「さあ。
それも流星に関係ないやん」


望が、
聞いたことないような、
冷めた声で言い放って、

テーブルの上に、
珈琲代の５００玉置いて、
立ち上がる。


「ちょっと、待ってや、望！」


腕を掴もうとしたら、
思い切り、振り払われて。


「もう嫌やねん！
流星なんか大っ嫌いや！」


子供みたいに叫んで、
望、駆け出してしもた。


慌てて追いかけようとしてんけど、
店員さんに止められた。


会計済ませて、
店の外に出た俺を待ち受けとったのは、


いつかのような、
愛くるしい望の笑顔と。


それを向けられてる、
俺ではない、他の誰か。

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