ひとめぼれ ２

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飲み物コーナーは、
笑顔弾ける重岡さんのポスターが貼ってあるから、回避。

しようと思たけど。


どうしても見たくなって、結局、その飲み物買ってしもた。


これはもう重岡病や。


延々と迫ってくる、
純粋な片笑窪の笑顔を、
頭から追い払おうともがきながら、


夕飯作ってる途中で、
東京の専門学校時代の同級生の風磨から連絡が入った。


「みんなで同窓会兼忘年会やってるから。
とももおいでよ」


普段なら断るねん。


えっと、誤解なきように言うとくけど、
あの子ら、めっちゃええ子らやねんで？
　

けど、学校時代から、
(女子も半数おったっていうのに)

みんなで俺を姫扱いして、
奪い合いしてくるねんもん。

半分、おふざけなんやろけどな。


関西人の俺が物珍しいんやと思うねん。


最初は、

神ちゃん、呼ばれててんけど、

東京弁のイントネーションにそわそわするから、
名前で呼んでもらうことにした。


何より、

女子に爆モテしとった、
健人と風磨が喧嘩始めるんが一番嫌や。

仲良くして欲しいのに。


二人って、お金持ちのお坊ちゃんでな、
私立の小学校からエスカレーターで、
ずーっと一緒やってんて。

専門学校には、大学とのダブルスクールで通ってた。


俺は昼間はヘアメイクの見習いやりつつ、
夜、学校に通ってて。


多分、あくせく働く庶民の俺が、
あの二人の目には、新鮮に映るんちゃうかな。


今日は一人でおるのはもう限界で。

誘いを受けてん。


来てしばらくは、
久々にみんなに会えて、楽しかってんけど。


そのうちやっぱ、
健人と風磨の喧嘩始まっちゃった。


健人のお父さんの会社、
新しくアパレルショップを立ち上げるとかで、

健人がその新事業の責任者やねんて。


そんで、アシスタントで、
俺を雇いたいって言うてくれてん。
　

ゆくゆくはその部門は俺に任せてくれるって、

願ってもない話やねんけど、


健人にその打診をされたあたりで、

風磨が対抗心燃やし始めてんな・・・


風磨の実家の会社はIT関係で、
俺の仕事とは全く縁がないし。


こうやって、俺を取り合いして楽しんでるけど、
二人は決まった婚約者がおるねんて。

３→←理由。

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