ひとめぼれ ２

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なんか文句言われてるけど、
可愛ええ、拗ねた口調。


「腕枕なんか初めてされたし。
俺のパジャマ、ちょっとちっちゃいのとか。
彼氏感、醸し出してくるあたり。
もお、何なん」


あかん、寝てるふりが苦しくなるぐらいの、
幸福感の渦が巻き起こってきた。


「はああ・・・」


ため息ついてさ。


それから、俺のほっぺたに、指で触れてんて。


目の下、お揃いの笑窪出来るとこや。


くすぐったいけど、我慢や我慢。



「好きに、なりたくないのに」


清涼感ある、ほんま綺麗な声で囁いて。


唇に、柔らかい感覚が押しつけられた。


キス、されてるよな？

やんな？


腕回して、自分から求めてまうんを、ぐっと堪える。


もっとしてくれたらええのにな。


「ヤバ。俺、何してんねん」


言うて、神山くん、さっと離れてしもた。


はあああ・・・


今のは、反則超えて、犯罪っすけど？


心ん中だけで、言うておく。


好きになりたくない、か。


それって、俺を好きになりかけてる、ってことやんな？


後戻り出来ひん深いとこまで、
連れて行きたい。


俺は絶対に離れたりせえへんから。


飛び込んで来て欲しい。


夢の中でも、


好きやあ！！！って、叫んでた・・・










んで、起きたら、神山くんが朝ごはんを作ってくれてた。


「重岡さん、おはよ」


「おはよ。
神山くん、早起きやん」


「んー、あんま寝られへんかってん」


「そうなん？ごめん、俺のせい？うるさかった？」


「まあ。寝言言うてた」


「どんな？」


不安やなあ。


「俺の猫ぉ！って。
叫んどった」


「ぶは、ほんま？」


「ほんまやで？
気になって近寄ってったら、
猫捕まえた！って、捕獲してくるし」


「それは、ごめんなさい・・・」


「ええよ、俺、どっちにしても夜起きといてしまう人なん。
朝ごはん、サラダとトーストと目玉焼きでええ？」


「嬉しいなあ」


言いつつ、ソファベッドから起き上がって。


きゅうり入ってないか不安なって、
キッチンの神山くんの後ろに立って、
サラダボール覗き込む。


昨日のポテサラには入ってなかって、
ほっとしてんな。


「大丈夫やで。
きゅうり入れてないから」

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