21 ページ22
「けど……1番許せないのは私だ…
私は……澪奈を被写体としてしか見てなかった。…先生の言う通り、澪奈が手紙を書いたのは……ちゃんと意味があった」
さくらはそう言うと、ポケットから手紙を取り出した。
「…さくらとは友達になれない。
………滲んでるの、なれない、の文字が。澪奈の涙で滲んでるの…」
さくらは、その手紙の滲んだ文字をゆっくりと撫でた。
「手紙を書いたのは、違うんだよって伝えたかったから。
本当はずっと友達だよって……伝えたかったから。
私はそれに気づけなかった。気付こうとしなかった。………怖かったから。
……私も澪奈みたいに…みんなに無視されるのが怖かったから」
誰だって、怖いと思う……
だから、悪いのはさくらだけじゃない。目を背けたくなる気持ちは、誰にだってあった。
「私は澪奈のSOSを踏みにじった。
……澪奈が自 殺したのは…、私のせい。
私のせいで、澪奈は命を絶った。
……ごめん」
さくらが涙を流しながら、俯いてそういった。
その涙は、この教室の何よりも美しいと……そう思わずにはいられなかった。
「それがお前の答えか。
……お前のせいで、景山澪奈は死んだ、そうだな」
「…………はい」
違う、違う違う！！
さくらのせいなんかじゃない……さくらが悪いんだったら、私は…その何倍も悪い！！
声にしたくても、震える声じゃ、伝わらない、届かない。
「残念ながらそれは不正解だ。
確かに景山は、クラスメイトに無視され、親友だと思っていたお前にも避けられて、深く、傷ついた。
でも、それが亡くなった理由じゃない」
「違う、私のせいなんです。ほんとに私…っ……」
「お前のせいじゃない」
今すぐに、私も言いたかった。
さくらのせいじゃないよ、一人が悪いんじゃないんだよ……って。
むしろ、さくらはこの中の誰よりも……澪奈を想ってるはずだから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 534人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - いちきんぐさん» あぁ！ごめんなさい！ありがとうございます笑 更新ゆっくりかと思いますが、頑張ります！ (2019年2月17日 7時) (
レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
いちきんぐ - 石倉くんの漢字が岩倉くんになってましたよ 更新楽しみにしてます (2019年2月17日 6時) (レス) id: 1eed6503a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：セレーナ・ラフィーネ
| 作成日時：2019年2月16日 23時
