分かれ目 ページ46
教室には、いつもの女子が全員揃っていた。
とりあえず、席について予定通りクロにメッセージを送る。
すぐに返事は来た。
震えるスマホを罪悪感と共に、無視してリュックにしまう。
罪悪感を無視しようと、机に突っ伏す。
そのうち、教室中がガヤガヤとうるさくなって来た。
８：１５をまわり、「静粛に」と斬り込みを入れるように、チャイムが鳴り響く。
それから学校が始まった。
昼休みが近づくにつれて、胸の苦しみを強く感じるようになる。
それと同時に、クロの顔が浮かんで、何故だか涙が出そうになる。
笑った顔も、真剣な顔も、馬鹿にするときの顔も、その時は何も感じなかったけど、今は凄く苦しくさせられる。
思い出すたび、虚しくなる。
4時間目が終わる頃には、涙を堪えるのも、息をするのも苦しかった。
溢れそうになる涙を必死に殺す。
殺して、殺して、待つ。
「やっほ〜！」
と、クラスメイトが私に声をかけた。
その時、視界が白から黒に変わった。
顔にかけられたのが生クリームと理解するには時間がかかった。
息ができなかった。
「ほら立たなよ！」
私はそう言われて脇腹を抱えられ、立たされる。
そして、力強く背中を押し込まれ、お腹から下に強い衝撃が加わる。
更に、ぐっと、頭を前に押しながら、顔を上げられないように押さえ付けられる。
お腹に棒のようなものがきつくきつく食い込む。
やっと、窓から頭を出させられていることが理解できた。
「もっと前出ろよ。」
そう耳元で囁かれる。
私はこれ以上前に出られるわけないといたことを伝えたくて首を横に振る。
しかし、伝わるわけもなく、更に押さえつけられた。
それでも必死に首を振っていた。
その時、頭に重さが加わり、顔中についた生クリームが流れた。
水をかけられた。
そのまま、引っ張られるようにしてトイレに連れ込まれる。
「生クリーム、気持ち悪いよね！」
と、個室に押し込まれる。
そして、私が洋式の便座に尻餅をついた瞬間、視界が歪み霞んだ。
身体中が冷たくなる。
しっとりと体に服がくっつく。
「はい、どーぞ！」
と渡して来たのは屋上の鍵。
女子たちは大笑いして、水をかけたバケツをポイッと落としてトイレを出て行った。
私は便座から立ち上がり、バケツをしまう。
そして、トイレから出た。
その瞬間、私は、クロと目があった。
終わり
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あ - 内容がすごいわかりやすいです。続き待ってます (2020年5月7日 22時) (
レス) id: 2b1a6cecc8 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - kajjjenさん» 読んで頂き本当に感謝です…！！それに面白いなんて言って頂けて嬉しいです…！！応援、ありがとうございます、更新頑張ります！！ (2020年4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - 清川さん» 全然わかりやすいっすよ…！！そしてな、なんと！！？？そんな…嬉しすぎます…！！頑張ります！！本当にありがとうございます！！嬉しすぎて…(´；ω；｀) (2020年4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
kajjjen - コメント失礼します！初めてこの作品を読ませてもらいましたが本当に面白いです！応援してます(^^) (2020年4月6日 9時) (レス) id: 6e12a7e235 (このIDを非表示/違反報告)
清川 - hitoesasamiさん» 俺、文作るの下手だから、伝わってよかった^^ログイン出来てないからお気に登録できないけど、ログインしてたら絶対お気に登録してた。しかも俺の中で☆100くらいついてるw頑張れ (2020年4月1日 20時) (レス) id: bdf93be9d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hitoesasami | 作成日時：2020年3月26日 3時
