アップルパイ ページ16
目を覚ました時、そこは私の部屋だった。
クロに送られながら寝てしまったみたいだ。
「…寝ちゃった…。」
今、何時か気になり私は安定しない足で立ち上がる。
にしても…何も食べないでよくあんなに動けたもんだ。
スマホが見つからず、仕方なく机に置いてある時計を見ようと歩いていると突然ノックされた。
「A、ご飯、食べる？
今日、2人とも夜遅いから買ったやつだけど…。」
研磨がどっかで買った…？
2人というのは父と母のことだろう。
しかし、いくら母と父の帰りが遅いからってそんなことあるのだろうか。
「…見てみるだけ。」
正直、食べる気はなかったが空腹は感じていた。
だから、とりあえず何か食べれそうなのがあったら食べようと思い、部屋を出る。
なかったら、いつも通り水でいいや。
私は階段をゆっくりと降りた。
足が、フラフラしてどうしようもない。
慣れたはずの階段が、とても怖かった。
「…大丈夫？」
「うん。平気。」
と、咄嗟に嘘をついてしまう。
平気なわけがなかった。
だけど、平気なフリをする方が楽な気がしちゃう。
その後、心配されることもないだろうし。
やっと階段を降りて、私は研磨について行くようにリビングへ向かった。
「…うげ。」
リビングに入って思わず、声が出てしまう。
クロが、めっちや優雅にテレビを見ていたからだ。
なんなら、コンビニ弁当2箱目を食べながら。
「あ、やっと来たな。」
と、こっちを見て言う。
体と気持ちが休まる気がしなかった。
「A、ご飯こっち…。」
私はクロを無視して、研磨のほうに行った。
テーブルに並ぶパンと、お弁当と野菜ジュース。
「あ…俺これでいいや。」
と、研磨がとったのはアップルパイだった。
私は思わず、「あ」と言いそうになる。が、声になる前にそれは消えた。
なんか、好物だけど取られてもよかった。
いつもならジャンケンとかしてたけど、今日はどうでもよかった。
「…明日食べようかな。」
私はそう言って、水道に向かう。
水でいいや。
どうせ、あんまり動かないから栄養失調にはならなさそうだし。
明日学校行くときの朝ご飯くらいで十分だ。
1杯の水を飲み、部屋に戻ろうとする。
だけど、何を察したのか、クロが扉の目の前に立った。
「…寝たいからどいてほしいな。」
私はそう言って笑う。
体の中に、どんどんと塊のようなものが疲れとして溜まるのを感じながら。
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あ - 内容がすごいわかりやすいです。続き待ってます (2020年5月7日 22時) (
レス) id: 2b1a6cecc8 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - kajjjenさん» 読んで頂き本当に感謝です…！！それに面白いなんて言って頂けて嬉しいです…！！応援、ありがとうございます、更新頑張ります！！ (2020年4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - 清川さん» 全然わかりやすいっすよ…！！そしてな、なんと！！？？そんな…嬉しすぎます…！！頑張ります！！本当にありがとうございます！！嬉しすぎて…(´；ω；｀) (2020年4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
kajjjen - コメント失礼します！初めてこの作品を読ませてもらいましたが本当に面白いです！応援してます(^^) (2020年4月6日 9時) (レス) id: 6e12a7e235 (このIDを非表示/違反報告)
清川 - hitoesasamiさん» 俺、文作るの下手だから、伝わってよかった^^ログイン出来てないからお気に登録できないけど、ログインしてたら絶対お気に登録してた。しかも俺の中で☆100くらいついてるw頑張れ (2020年4月1日 20時) (レス) id: bdf93be9d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hitoesasami | 作成日時：2020年3月26日 3時
