＊36駅目＊ ページ36
お店の外に出ると
少し離れた、奥まっている所で
のんちゃんとはまちゃんの姿を見つけた。
声をかけて近寄ろうと思ったけど
何やら2人で話していて
今、話しかけるタイミングではないな
って私の直感が判断して
少し様子を伺うことにした。
聞き耳立てるのは良くないって思いながらも
2人が何を話しているのか気になって
気付かれないように耳を澄ます。
｢俺、めっちゃ好きやねん。
もうどうしようもないくらい好きやねん。
彼女にとって俺はただのアイドルかも知れへんけど
俺にとって彼女は守りたい、大事にしたい存在やねん。
だから誰にも渡したない。｣
タイミングが良いのか、悪いのか
私が聞き耳を立てて聞こえてきたのは
ーのんちゃんの好きな人に対する想いの告白。
崇｢そかそか。
それだけ想っとるならきっと伝わるよ。
望ならきっといけると思うで！
俺は望のこと応援しとるから！！｣
ーはまちゃんものんちゃんの恋を応援してるんだ。
のんちゃんの相手は
はまちゃんも応援するくらい素敵な
ーきっとあの人。
私が昨日見た、綺麗な
誰がどう見ても
ー"両想い"。
何でここで、このタイミングでのんちゃんの告白聞いちゃったんだろ…。
頬に何かが伝ったのを感じ、
手で拭う。
ー涙…。
のんちゃんの気持ちを知っちゃったからには
もうここにはいられない。
溢れてくる涙を素早く拭って
私は急いでお店の中に戻った。
ーもう帰ろう。
ーそして…
この恋を無かったことにしようー…。
今日で終わり。
まるで一駅分の時間のように短かったこの恋に
さよならしようー…。
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作者名：虹色流れ星 | 作成日時：2017年9月13日 22時
