ひと駅の恋（Nozomu.K） (ページ20)

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＊20駅目＊ページ20

『のんちゃん、キッチン借りてもいい？？』

「ええけど、何するん？？」

『朝ごはん作ろうと思って。

今日泊めてもらったお礼に。』

「ホンマに！？！？

まじ嬉しいっ！！」

『冷蔵庫にあるものとか使っても大丈夫？？』

「おん！！

しばらく大阪やし、食材残しておいてもあれやから
使ってええで！」

『ありがと。

じゃあ、私作るからのんちゃんは大阪に帰る準備してていいよ。』

「ほな、お願いな。

俺準備してくる！」

のんちゃんは小走りで寝室へと向かって行った。

『失礼しまーす。』

一応一言言ってから冷蔵庫の扉を開けると

中に卵と冷ご飯と

何故か"淳太の唇"と書いたラップに包まれた明太子が入っていた。

そして冷蔵庫の隣の棚ににレトルトの味噌汁があったから

ご飯に明太子乗せて

味噌汁を作って

明太子が中に入った卵焼きを作って

The・日本の朝ごはん

みたいな朝食が出来上がった。

何だか、朝ごはんを作る新婚の新妻みたいな気分。

ーまだ付き合ってすらいないのに。

でもこんな新婚さんみたいな気持ちを味わえただけで

私は十分幸せだった。

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