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57話 _____だから。 ページ8

A「…取り敢えず踊りきる。そこから目的を暴けばいい」

ナル「ああ。」

私たちはなにも考えずに踊り、曲が終わるとそれぞれ別の方向へと進んでいった。
人混みを離れ辺りを見渡し彼奴(初校長)を探すが踊ってる最中にいなくなったっぽい。



葉っぱが擦れる音がした。
この近くにあるのはすぐ後ろの森だけ。
…2人?しかもこの気配…
音がした方へ向かうと予想通り棗と蜜柑がいた。

気配を消し、2人に近づく。盗み聞きするわけじゃないが、話は気になる。

棗「…お前はこれ以上こっちに足を踏み込むな。」

蜜柑「?なんでや?棗やAが危険な奴らに狙われてるんや!それを助けるのが友達ちゅうもんやろ?!」

棗「…、水玉。お前は太陽でいろ。月は俺だけでいい。その明るさで俺を照らしてくれ」

…棗…。

蜜柑「太陽?月?なんなん?棗、うちのことなんかどうでもいいんやろ?!やから突き放そうとするんやろ?!」

今のはカチンときた。

私の怒りは収まらずに抑えてた気配はいつの間にか消えていた。

蜜柑/棗「「!A?!/…」」


パシッツ!!!!!



乾いた音が辺りを響かせた。

蜜柑「えっ…」

蜜柑の頬をAが平手打ちしたのだ。

A「大切じゃない?どうでもいい?ふざけるな!」

蜜柑「なっ…」


A「私たちがこれまで貴方が踏み入れた事の後始末をどれだけやったと思う?!

貴方のせいで棗は…棗は、毎日任務に行ってるのよ!?それをわかって言ってるの?!

来る日も来る日も傷を負って、だけど心配されないように隠してる!!

なんでだと思う?貴方がこれ以上こちらに踏み込まないようにするため!!!

なのに大切にされてない?どうでもいい?









大切に思ってなきゃこんな事しないんだよ!!!」









誰だろう。この声。

喉が痛い。
焼けるように痛い。

あぁ、この声は私だ。

蜜柑の胸ぐらを掴んでいた私は急いで離した。

A「お願いだから……これ以上、棗を苦しめないでよ…」

その声はまるで助けを求める少女のような声だった。

蜜柑「A…。…ごめん。棗にA。うちのせいで…」

棗「…。」

A「ごめん…。私こそ言い過ぎた。」

蜜柑「別にいいで…、全て事実なんやからな…」

私たちがいる森だけ時間が止まったかのように長かった。

そうして後夜祭は幕を閉じた。

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作者名:さくらんぼもち | 作成日時:2018年11月13日 22時

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