82話 タブー ページ34
その頃、棗とAがいなくなった食堂では気まずい空気が漂っていた。
委員長「ま、まずいよ。蜜柑ちゃん…」
委員長が青ざめた表情で蜜柑に話しかける。その声も少し震えていた。
蜜柑「なんでや?」
何も知らない蜜柑はコトンっと首を傾げ何か知ってる、古株の子達に聞いた。
蛍「棗くんは家族からの手紙は今まで来たことがないの。
噂では、来ても配達員の人達が燃やしてるそうよ。だから彼に年賀状とかの話はこの学園ではタブーの1つなのよ。」
少しも目をパソコンから逸らさなかった蛍が初めて蜜柑の方を向き説明をした。
それに続き幼馴染のルカももう1人の彼女について説明をはじめた。
ルカ「Aは家族がもういないんだ。
今までは養子として家族がいたけどそこの家族がアリスが嫌いだったらしいんだ。
でもAはアリスを隠していたんだけど“あること”があってバレて捨てられた。噂では学園が仕組んだ罠だったかもしれないらしい。だけど今独り身の彼奴は誰もいない。……飛田や俺の家族から送られてくる年賀状とかを見ると無自覚で寂しそうな顔をするんだ……」
そんな彼も少し寂しそうだった。
蜜柑「そ、そんな…。学園がらみで棗とAを孤独に追いやってるん?!そんなんサイテーや!!…うち、Aと棗に悪いことしたな……」
学園での彼らの待遇に怒りを表しながら彼女らへの過ちを悔いていた。
委員長「でも、今から謝りに行こうよ!お正月だしみんなで楽しみたいよ、僕!」
陽一「あー」
蜜柑「そうやな!棗らの部屋行ってくる!」
そう言ってお椀を両手に抱えて走っていった。
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作者名:さくらんぼもち | 作成日時:2018年11月13日 22時