67話 貴方と私 ページ18
蛍の笑顔は久しぶりに見た気がする。
……、あれ、私心の底から笑ったりしたのっていつだっけ。
“そんなのないでしょ?”
誰?
“あら、わからないかしら?”
本当に誰?こんな声、聞いたことないけど…
“ふふふ。貴方よ。貴方の中にある……そう
ね、心の闇とでも言いましょうか。”
私の、心の闇?
“そう。貴方の闇。だから貴方の全てを知ってるわ。貴方の心の中も、思考も、言動も。”
そんな貴方がなんで私の目の前に出てきたの?
“あら、呼んだのは貴方じゃない。だから出てきたのよ。”
私はそんなの呼んでない。勝手に……
“勝手にじゃないわよ。さっきも言ったみたいに貴方が呼んだの。貴方自身が形成した闇の具現化をね。”
私は……そんなの作った覚えはない……私の中にある闇なんて……そんなの……
“…。どうやら無意識に呼んだようね。ま、今は別にいいや。まだ貴方自身に光があるしね。だけど……今度また呼んだら助けてあげるわ。”
助ける?なんで?
“だって、貴方は私。私は貴方。貴方が壊れちゃったらダメじゃない。だから助けるの。私は貴方のことをなんでも知ってる。理解してるからね。”
私のことをなんでも理解……してる……。
“じゃあまた会いましょ。”
?「A?Aっ!」
!あれ……
ルカ「A?どうしたの?体調でも悪い?」
いつもの教室だ……。
割れて補修している窓ガラスに
ナルのダサい帽子に……
蛍「A?どうしたの?」
A「えっ、あ、大丈夫。なんともないよ……」
今のはなんだったんだろ……ただの悪夢なのかな。
それからもあの悪夢は見なくなり、いつも通りの日常を過ごして、テスト当日を迎えた。
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作者名:さくらんぼもち | 作成日時:2018年11月13日 22時