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マンちゃんに渡されたたくさんの書類が重なる机の上。
一向に手を付けようとしないグルッペンに溜息をついた。
「ちゃんと仕事しないとダメでしょ？」
「まだいい。」
肩を抱くグルッペンの腕に引き寄せられる。
こうされると私が拒否できないのを分かってやっているんだからタチが悪いのよね。
「仕事しない旦那様なんて先行きが不安だわ。」
「俺が無一文になっても傍にいてくれるんやろ？」
「さぁ？捨てちゃうかもよ？」
にやりと笑うグルッペンの鼻先を突けば、その手が掴まれる。
「逃がさないぞ。」
「ふふっ、なら逃げられないように捕まえてて。」
「言われなくても。」
赤い瞳が伏せられて、ゆっくり近づいてくる顔に目を閉じる。
「仕事してくれませんかねぇ。」
呆れたように言われた言葉に再びグルッペンの顔を手で押さえた。
いつの間に入ってきたの！？
声の方向を見ると扉にもたれ掛かったトントンさんが、呆れた顔で腕を組んでこちらを見ていた。
目が合うとにっこりと微笑まれる。
「Aさん城内案内しますよ。」
「ありがとうございます、あのでも、グルッペンが…。」
「勝手に連れてくな。」
物凄い顔でトントンさんを睨みつけるグルッペン。
痛いくらいに握られた腕はトントンさんによって解かれた。
「Aさんがおったら気になって仕事にならんのやろ？終わったら返したるわ。」
黒い笑顔で言ったトントンさんの言葉に、グルッペンが口を閉ざす。
すごい、グルッペンが押されることもあるんだ。
扉の方向へ押される背中。
首だけでグルッペンを振り返ると、小さく「覚えてろよ」と呟いていた。
「すいませんね、我儘な男で。」
「いえ、こちらこそ…ご迷惑お掛けして申し訳ありません。」
お互いに頭を下げ合う。
顔を上げたトントンさんは眉を下げて困ったように笑った。
「お互い苦労させられますね。」
なんかグルッペンがトントンさんに逆らえないのが分かる。
なんていうか、その、お母さんっぽいのよね。
包容力がすごい。
「じゃあ行きましょうか。」
「はい、お願いします。」
「あぁその前に敬語やめよか、堅苦しいしな。」
グルッペンの仲間はみんないい人たちだ。
突然やってきた私にすごく良くしてくれる。
もっと仲良くなれたら嬉しいな…。
そこでふとある考えを思いついた。
お礼も兼ねていいかもしれない…。
「あの、キッチン使ってもいいかな？」
「ええけど、何するん？」
目を丸くしたトントンくんに微笑んで「内緒」と人差し指を立てた。
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しゅうな。 - 更新停止…初めて読みに来ましたがとても良いお話だと思いました！また更新していただける日を待ち侘びています。 (2021年11月23日 11時) (
レス) @page22 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 更新停止って知ってても凄くいい話だから何度も読みに来てしまう、そして続きが気になってしんどくなる… (2019年12月22日 19時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ氏 - 更新停止ｯｯ…いい所でｯｯ…気長に待ってますぜ！ (2019年10月7日 21時) (レス) id: 19440439ad (このIDを非表示/違反報告)
なな - 更新停止……ぐぬぬっ…主さん忙しいのかな？……更新待ってますから…ね？ (2019年9月7日 20時) (レス) id: 49b689c972 (このIDを非表示/違反報告)
さとりちゃん - 更新停止・・・ウッ・・・いつまでも待ってるよ。 (2019年4月7日 15時) (レス) id: 92b07cafca (このIDを非表示/違反報告)
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