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さすがにそろそろ死ぬ…。
そう思いながらある場所を目指してフラフラと歩くのは、この国の書記長であるトントン。
その表情は青白く、目の下に盛大なクマを作り、まるでゾンビのようだった。
どんなに忙しくて顔がやつれきっていても、常に背筋をピンと伸ばしきっちりと整えられた髪と服装だった彼の凄惨な姿に、すれ違う使用人や兵士たちは唖然と口を開き固まる。
どうしたんだ書記長は
ほら、総統様がアレだから
あぁ…まだなのか
ヒソヒソと囁かれる使用人たちの声。
そう、彼のこの姿の原因は全てこの国の支配者、グルッペン・フューラー総統によるものだった。
皇太子がグルッペンの怒りを買ってから３日。
グルッペンはAを自室に連れ込んだまま出てこないのだ。
アスタム陥落によって捕らえた兵士たち処遇、ワズル国王との交渉、アスタム国民への通達、領土問題、他国への対応…。
やる事は山積みだというのに肝心の国のトップが不在。
そのシワ寄せが全て書記長であるトントンに集められた。
グルッペンが自室に籠る時間と比例して、彼の睡眠時間は削られたのである。
そして遂に己の疲労と総統への怒りが限界に達した書記長は、総統室の部屋内にある寝室の扉の前にやってきたのだ。
女に溺れ切ったこの国のトップを引きずり出すために――。
「グルさん？いい加減出てきて仕事してや。」
軽めのノックをしてそう言うも、返事はない。
何回も何回も、彼は諦めず、開かれない扉に向かって懇願する。
頼む、限界やねん、お願いします、可哀相なくらいに訴え続けるも依然開かれる事のない扉に、とうとう堪忍袋の緒が切れた。
「グルさん！いい加減に―――」
扉に向かって叫び始めたその時、ようやくその扉は開かれた。
しかし、その扉薄く開かれた扉の隙間に現れたのは彼が思い描いていた人物ではなく、顔を赤くさせて明らかに彼女には大きすぎるサイズの白シャツを纏ったAの姿だった。
「ご、ごめんなさい。すぐ行かせますから。」
「あ、…はい。」
目のやり所に困る…！
アレ絶対グルさんのやつやん！
てか生足ってとこが余計に生々しいわ！
そう思った瞬間、「きゃっ」という小さい悲鳴と共にAの姿は消えた。
代わりに現れたのは現在おサボリ真っ最中のこの国の総統、グルッペン・フューラー。
「見んな。」
たった一言、凄まじい睨みと共にバタンと再び閉ざされた扉。
中から聞こえる恋人たちの痴話喧嘩のようなイチャイチャする声。
これはもう、今日も出てこんな…。
書記長トントンは力なくその場に崩れ落ちるしかなかった。
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しゅうな。 - 更新停止…初めて読みに来ましたがとても良いお話だと思いました！また更新していただける日を待ち侘びています。 (2021年11月23日 11時) (
レス) @page22 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 更新停止って知ってても凄くいい話だから何度も読みに来てしまう、そして続きが気になってしんどくなる… (2019年12月22日 19時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ氏 - 更新停止ｯｯ…いい所でｯｯ…気長に待ってますぜ！ (2019年10月7日 21時) (レス) id: 19440439ad (このIDを非表示/違反報告)
なな - 更新停止……ぐぬぬっ…主さん忙しいのかな？……更新待ってますから…ね？ (2019年9月7日 20時) (レス) id: 49b689c972 (このIDを非表示/違反報告)
さとりちゃん - 更新停止・・・ウッ・・・いつまでも待ってるよ。 (2019年4月7日 15時) (レス) id: 92b07cafca (このIDを非表示/違反報告)
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