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賑やかな城下町。
森の近くにあった街よりも栄えていて、可愛い雑貨が置かれたお店や見た事のないような郷土品が並べられたお店、どこを見ても楽しめる光景にグルッペンの腕を引っ張って駆けだした。
「ね、あのお店見てもいい？」
「あぁいいゾ。」
はしゃぐ私を子供を見る親のように優しい目で見つめるグルッペン。
手に取った物を全て買ってくれる勢いに、親バカみたいだと笑うと恋人バカだと言い返された。
「A、行きたい店があるんだがいいか？」
「うん！どこ？」
グルッペンは質問に答えずにただ笑って私の腰に手を添える。
洋服か雑貨か、もしかしたら武器屋なんて…さすがにないか。
どんな場所でも重要なのは隣にグルッペンがいるという事、それだけでどんな荒地であろうと最高のデートスポットだから。
「ここだ。」
訪れたのは宝石店。
入口に立つドアマンに如何にも貴族御用達という雰囲気。
いくら浮かれてるからといっても一般庶民の私が入るには勇気がいる。
「行くぞ。」
躊躇している私に構う事なく店内に足を踏み入れるグルッペン。
にこやかに扉を開けるドアマンにヘコヘコとお辞儀をしながら後に続く。
「これはこれは総統様！ようこそお越し下さいました！どうぞ奥の部屋へ！」
「あぁいくつか石を見せて貰えるか？」
「勿論でございます。最高の物をお持ちいたしましょう。」
店の奥から現れた店主に、慣れたように言葉を交わすグルッペン。
私はというと借りてきた猫のように黙って二人の会話を聞いているだけだった。
案内された店の奥の豪華な部屋。
ふかふかのソファに二人で座っていると、店主はたくさんの宝石が並べられた箱を持ってやってきた。
宝石に興味なんてなかったけれど、目の前に並ぶ色とりどりの星のようにキラキラと輝く石たちに思わず感嘆の息が漏れる。
「…綺麗。」
「そうでしょう？色んな国から集めたどこに出しても恥ずかしくない自慢の宝石たちでございます。どうぞお手に取ってご覧ください。」
私の零した呟きに店主はにこやかに笑って勧める。
促されるまま、手に取ったのは赤い石。
濃く、強い輝きを発するそれはまるでグルッペンの瞳のようだった。
「そちらは遥か北にある国より取り寄せた石でございます。赤の濃度が濃いほど価値がありそれほど濃度が濃い物は貴重ですよ。鮮血のような赤色から”女神の生き血”と呼ばれております。」
女神の生き血…。
吸い込まれそうなほどの赤に息をするのを忘れてしまいそうだった。
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しゅうな。 - 更新停止…初めて読みに来ましたがとても良いお話だと思いました！また更新していただける日を待ち侘びています。 (2021年11月23日 11時) (
レス) @page22 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 更新停止って知ってても凄くいい話だから何度も読みに来てしまう、そして続きが気になってしんどくなる… (2019年12月22日 19時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ氏 - 更新停止ｯｯ…いい所でｯｯ…気長に待ってますぜ！ (2019年10月7日 21時) (レス) id: 19440439ad (このIDを非表示/違反報告)
なな - 更新停止……ぐぬぬっ…主さん忙しいのかな？……更新待ってますから…ね？ (2019年9月7日 20時) (レス) id: 49b689c972 (このIDを非表示/違反報告)
さとりちゃん - 更新停止・・・ウッ・・・いつまでも待ってるよ。 (2019年4月7日 15時) (レス) id: 92b07cafca (このIDを非表示/違反報告)
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