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今度こそトントンは頭を抱えた。
皇太子の爆弾発言に、アスタム国王は白目を剥き、笑いを堪えていた幹部たちは呆れたように溜息をつく。
グルッペンの膝の上で抵抗していたAは動きをピタリと止めて冷や汗を流した。
「…トントン、後は任せる。」
「おん。」
Aを腕に抱えたまま立ち上がるグルッペンをトントンは止めなかった。
幹部たちもAも何も言わなかった、というか言えなかった。
グルッペンの額には青筋が浮かび、目は完全に座っていた。
今まで見た事もないほどの怒りを露わにするグルッペンは、もはや魔王にしか見えなかった。
「おや、逃げるので――」
ドゴォッ
唯一グルッペンに恐れを成さなかった皇太子は性懲りもなく口を開く。
だがその口は物理的に閉じられる事になる、すれ違いざまに顔面に入れられたグルッペンの右足によって。
ひっ、と小さくAが声を漏らしたが、グルッペンはそのままスタスタと広間から去って行った。
残されたアスタム国王はガタガタと震え、もはや意識のない皇太子を見る。
皇太子の後ろに控えていたゾムがしゃがみ、血だらけでぴくぴくと死んだ魚のような動きを見せる皇太子の顔を覗きこんだ。
「生きててラッキーやったな、あんた。」
「ほんまやで、絶対グルちゃん殺すと思ったわ。」
「Aさんおったからやろ。」
ゾムの言葉に大先生とシャオロンが応える。
それを合図に幹部たちも思い思いに口を開いた。
「いやぁ、それにしてもグルさん女の前やとあんなんなるん！？俺ちょっと鳥肌立ったんやけど。」
「二人が再会した時はもっとすごかったよ。」
「そや！ロボロが連れてったんやったな！」
「身内のラブシーンって結構ダメージでかいよね〜」
のほほんと会話するコネシマとロボロ。
前日のアスタム戦や、先ほどのグルッペンの行動などまるでなかったかのように笑い合う幹部たちを見て、アスタム国王は震えた。
この国の奴らは全員イカれてる。
初めから自分や息子の手に負える相手ではなかったのだ。
「アスタム国王。」
凛とした声に呼ばれ、ビクリと体が反応する。
先ほどまでお喋りをしていた幹部たちも皆、口を閉ざして声の方向へ向く。
「こちらからの提案を申し上げます。よろしいですね？」
トントンの言葉に無言で首を縦に振り肯定する。
これは提案などではない、命令だ。
罪状を告げられる被告人のような気持ちで、国王は彼の声に耳を傾けた。
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しゅうな。 - 更新停止…初めて読みに来ましたがとても良いお話だと思いました！また更新していただける日を待ち侘びています。 (2021年11月23日 11時) (
レス) @page22 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 更新停止って知ってても凄くいい話だから何度も読みに来てしまう、そして続きが気になってしんどくなる… (2019年12月22日 19時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ氏 - 更新停止ｯｯ…いい所でｯｯ…気長に待ってますぜ！ (2019年10月7日 21時) (レス) id: 19440439ad (このIDを非表示/違反報告)
なな - 更新停止……ぐぬぬっ…主さん忙しいのかな？……更新待ってますから…ね？ (2019年9月7日 20時) (レス) id: 49b689c972 (このIDを非表示/違反報告)
さとりちゃん - 更新停止・・・ウッ・・・いつまでも待ってるよ。 (2019年4月7日 15時) (レス) id: 92b07cafca (このIDを非表示/違反報告)
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