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皇太子城襲撃から１日。
アスタム戦はあっけなく終焉を迎えた。
オスマンの情報操作により皇太子城の襲撃が国王の元まで届いた時には、もう取返しのつかない状況になっていた。
すでに皇太子は城から連れ出され、城内の兵士もほぼ壊滅状態。
辺りが明るくなる頃にはトントンが手配した兵が国王の城に集まっていた。
これによりアスタム国王はすぐさま無条件降伏を宣言。
国王の城は無血開城となった。
「さて、あなた方の処遇についてお話しよう。」
大広間の一番奥、赤い絨毯の先に置かれた椅子に腰掛けるグルッペン。
その横には不安そうな顔で立つAと、少し離れた位置に立つトントン。
グルッペンの視線の先には絨毯に膝をつくアスタム国王と皇太子。
彼らの真後ろはゾムが固め、両脇には等間隔で並ぶ幹部たちがいた。
「おや、いつからワズルの国王は変わったのでしょう？それにそこにいるのは私のパティシエのように見えますが？」
「口に気を付けろ。誰がお前のや、こいつは俺のだ。」
不機嫌な顔を隠そうともせず、横に立つAの腰に腕を伸ばして引き寄せたグルッペンを見て、トントンは頭を抱えたくなった。
この状況でイチャつく必要ないやろ…！
腕を後ろに組んだまま顔には出さずに堪えたが、幹部たちは皆、嫉妬を隠さない珍しいグルッペンの行動に笑いを堪えるように下を向いて小刻みに揺れていた。
「ゴホンッ、グルさん話進めて。皇太子殿も挑発なさるお言葉は謹んで頂きたい。」
「失礼、ワズルの新国王がこんなに一人の女性に情熱的とは思いませんでしたね。」
「ふんっ。」
なおも挑発を続ける皇太子と、完全に拗ねた状態のグルッペンにもはや逃げ出したくなる。
国同士の話し合いの場が、完全に子供のケンカになっていた。
これにはアスタムの国王も、怖いもの知らずの我が子に頭を抱えた。
敵国ながら今、己の心情に最も近しいのは彼だろうとトントンは国王に対して同情の視線を送った。
そんな彼らの思いを知ってか知らずか、両者の行動はエスカレートしていく。
グルッペンは遂に膝の上にAを乗せ始める始末(もちろんAは抵抗していたが)、それを見た皇太子が更なる挑発の言葉をぶつける。
もうダメや、めちゃくちゃや。
トントンが白目を剥き始め、幹部たちが遂に笑いを堪えられなくなった時、皇太子の一言により事態は動いた。
「Aの唇はとても甘くて柔らかいですからね、あなたの気持ちも分かりますよ。」
あ、こいつ死んだな。
全員の気持ちが一つになった。
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しゅうな。 - 更新停止…初めて読みに来ましたがとても良いお話だと思いました！また更新していただける日を待ち侘びています。 (2021年11月23日 11時) (
レス) @page22 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 更新停止って知ってても凄くいい話だから何度も読みに来てしまう、そして続きが気になってしんどくなる… (2019年12月22日 19時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ氏 - 更新停止ｯｯ…いい所でｯｯ…気長に待ってますぜ！ (2019年10月7日 21時) (レス) id: 19440439ad (このIDを非表示/違反報告)
なな - 更新停止……ぐぬぬっ…主さん忙しいのかな？……更新待ってますから…ね？ (2019年9月7日 20時) (レス) id: 49b689c972 (このIDを非表示/違反報告)
さとりちゃん - 更新停止・・・ウッ・・・いつまでも待ってるよ。 (2019年4月7日 15時) (レス) id: 92b07cafca (このIDを非表示/違反報告)
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