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「佳乃、今日機嫌悪いやろ生理か？」
「今の発言でだいぶ機嫌が良くなりました。」
「意味分からんわ。」
くすくすと笑う鬱先生の吐息が首にかかってくすぐったい。
いつもの英語科準備室。
ぽんぽんと自分の太ももを叩く鬱先生に促されるままに、鬱先生の上に向かい合うように座るとしゅるりと胸のリボンが解かれた。
シャツのボタンを迷いなく外していく手を見ていると掛けられた声に、あのつまらない土曜日から下降を続けていた気分はやっと落ち着いた。
やはり鬱先生は面白い。
鬱先生の前で開かれたシャツ、隙間から覗くキャミソールもてっきり脱がすのかと思えば、鬱先生は黙って胸元を見つめるだけ。
「見てるだけでいいんですか？」
「んーいや、ちょい待ってな。」
鬱先生の人差し指が胸元のキャミソールを少し下ろす。
下着が見えるギリギリのラインまで下げたそれに鬱先生の顔が寄る。
人のつむじを見下ろすって初めてかも、なんか可愛いな。
ちょっとくせ毛の青みがかった黒髪。
くるりと円を描くつむじに指を当てた瞬間、胸元からチクリとした痛みを感じた。
「ええやろこれ。」
少し顔を離して見上げてくる鬱先生。
先ほど先生の唇が寄せられた下着の端、私の胸には赤い跡が残っていた。
「キスマークですね。」
「そ、気に入った？」
「えぇ、こんな物で縛れると思ってる人たちの事思うと、馬鹿馬鹿しくてとても面白いです。」
「歪んでるなぁ。」
胸に咲く赤い印に手を添える。
これが所有の証だなんて、世の中の恋人たちは頭がイカれてる。
こんなもの犬が電柱にするマーキングと同じではないか。
これで人の心や体が縛れるなんて本当に思っているのだろうか。
「まるで畜生ですね、畜生なら畜生らしく歯形にでもしとけばいいのに。」
「ええなそれ、おもろいやん。」
鬱先生は今度は自分のシャツのボタンを外して、横にズラす。
服の上からでは分かりにくいが、意外としっかりとした男らしい肩が晒される。
「今日のご褒美それでええよ、畜生らしくここにつけてみ。」
「噛みちぎるかもしれませんよ。」
自分の肩を指でとんとんと突いた鬱先生に、睨みつけるようにそう言うと、やってみろと言わんばかりに目を閉じる。
本当に噛み切ってやろうかな。
「残念、やはり私の力では無理でしたね。」
「それでもなかなかやな、血ぃついとるで。」
噛み切る事は不可能だったけど、鬱先生の肩に綺麗についた歯形。
血がついた私の唇を鬱先生の親指が拭う。
「本当に畜生ですね、私も、あなたも。」
親指の血を舐めとった鬱先生はにやりと笑った。
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アオ - コメント失礼します。思わず一気読みしちゃいました！貴方様は神ですか？ありがとうございます。 (2022年1月28日 22時) (
レス) id: 99e64baad8 (このIDを非表示/違反報告)
か(プロフ) - この作品を生み出してくれて本当にありがとうございました。 (2020年3月30日 16時) (レス) id: f33d68be6d (このIDを非表示/違反報告)
なな - 単推しとニ推しとか…もうにやけとまんねぇ() 語彙力分けてほしい(( (2019年9月7日 17時) (レス) id: 49b689c972 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮、(プロフ) - コメント失礼します…！！もう文面も設定も好みのドストレートすぎて思わず一気に読んで、衝動的にコメントを書いてしまいました。本当に楽しませていただきました。素敵な作品をありがとうございました！！ (2019年1月11日 0時) (レス) id: b4451f6a6c (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 一話目からドストライクすぎてﾝﾝｯｯってなってます本当にありがとうございます崇めます (2018年12月3日 21時) (レス) id: d493129e91 (このIDを非表示/違反報告)
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