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「グルさん戻ったで。」
敵国であるアスタムへの訪問から帰宅してそのままグルッペンの執務室へ向かう。
実質ワズルという国はもはや我々の統治下にある、今はまだ国力を増やす為アステムとの友好を図りつつ機会を伺っている段階だ。
ワズルの国王はもはやお飾りの存在となり、アスタム陥落の際にはそれなりの国土を受け渡すという事で交渉は済んでいる。
よって彼に報告などは必要がない、今も己の自室ですやすやと眠っていることだろう。
「ご苦労。」
「お帰りオスマン、お疲れさん。」
「なんやトントンもおったんかい。」
執務室の中には豪華な机の椅子に腰かけるグルッペンとその横に立つトントン。
また書類が片付かんで監視されとったんやろ、グルッペンの表情は疲れ果てているし横のトントンはもっと疲れている。
「なら丁度ええから報告もするわ。」
「それは？」
「あぁこれアスタムの手土産、向こうの王子のパティシエが作ったらしいから一応食べん方がええで。」
机の上にお菓子が入ったカゴを置く際に忠告する。
それでもグルッペンの視線はお菓子に釘付けだった。
ほんま甘いもん好きやなぁ。
「じゃあ報告するで、アスタムの皇太子は食えん奴やわ。あれは今の王よりタチが悪い。世代交代前に叩くのがいいやろな。支配力が国王よりも強い、うかうかしとったら自分の父親ですら倒しかねんで。」
「そうやな、国王に会うより皇太子に会う約束取り付ける方が難しかったわ。」
「やろ？国の兵士とは別に皇太子の支配下に置かれた兵士が何人もおるみたいやわ。」
「そうか…、グルさん？聞いとる？」
グルッペンの視線は未だお菓子に集中していて俺の話を全く聞いてない様子やった。
トントンもその様子に呆れて溜息をつく。
「あとで何か持って来させるから我慢し――」
トントンが言い終わる前にお菓子に手を伸ばすグルッペン。
いやいや、さっき言うたやろ！あかんって！
「グルさん待って！」
制止の言葉より前に口にクッキーを入れる。
一口齧ったあとグルッペンはピタリと動きを止めた。
「はよ吐いて！」
「グルさんあんた何考えてんねん！」
焦ってトントンとグルッペンに駆け寄ると、グルッペンはお菓子の包みをくしゃりと握り潰し顔を伏せた。
「A…。」
静かに呟いた誰かの名前。
震えるその声はグルッペンから聞いた事もないような弱々しいものやった。
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なな - うん。 いや最推しにこんなんされたらもう本当ヤバいなぁ…((語彙力ｯ いやグルちゃんかっこええ~… (2019年9月7日 18時) (
レス) id: 49b689c972 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ＊ - グルさんイケメン…最推しです(*´ー｀*) (2017年9月10日 9時) (レス) id: ab38d97291 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 75さん» 75さんコメントありがとうございます！楽しんで貰えたなら幸いです！！続編も次回作も早くお届けできますよう頑張ります！これからもよろしくお願いします！！ (2017年8月22日 12時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
75(プロフ) - ひとちん様初めまして。いつも楽しみに読ませて頂いております。この度は完結おめでとうございます！秀逸な作品構成にどきどきしながらページを送っておりました。続編、次回作共に首を長くしてお待ちしてます！体調にはお気をつけてお過ごしくださいませ。 (2017年8月22日 12時) (レス) id: 97ace52c10 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 水鈴さん» 水鈴さんコメントありがとうございます！感想とても嬉しいです！！2では二人のその後などを書かせて頂く予定ですので完成したらぜひそちらもご覧になってくれると嬉しいです！これからもよろしくお願いします！！ (2017年8月21日 22時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
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